Episode009 ページ10
？？？side
「……おい、トリガー返せ」
「、あっすいません」
何だ、この女は。一般市民の癖に警戒区域に入ってくるし、しかもネイバーを突き刺した？訓練も受けてない人間が、刺すことに拒否反応を示さないなんて。俺がぐいっとそいつの腕を掴んで声をかけると、そいつは大人しくトリガーを返す。
「っ誰もいない」
「？どうした？」
すると前触れもなくそいつが何か呟いて、頭のあたりを触った。すると、直後に俺の無線に、ボーダー隊員で俺の師匠である忍田真史という人物から連絡が入る。
『ゲートが発生した。だが近くに隊員が誰もいない、お前が行ってくれるか？』
誰もいない、という言葉に、思わず反応してしまった。今、まさに目の前の市民が呟いたことと重なったからだ。いやいや、流石に俺の考えすぎか？俺はそのまま忍田さんに「了解です、すぐ行きます」と伝えると、無線を切った。
”誰もいない”。
コイツは、どういう意味でその言葉を発したのか。
「お前、なにか見えてるのか？」
もし、もしもこの一般市民が前者を指してああ呟いたのなら。俺が思い当たる”理由”はひとつしかなかった。だから問うた。
「……みえるって言ったら、信じるんですか？」
「……！なあ、お前、」
「あーーーー！」
どうやら勘が当たったようだ。ネイバーにビビらないあの態度、そしてこの”目”。こいつ、使えるかもしれない。そう俺が思い至ったとき、急にそいつが大声を出して、スマホの画面を確認しだした。俺の声は見事に遮られてしまう。
「すいません帰ります！」
「は？」
「イベント始まってるんです！ご迷惑おかけしました！では！」
「いやおい！」
鞄を持ってスマホをポケットに入れて、そいつは勢い良く走り去ってしまった。呼び止めようとした俺のその声は訊こえるはずもなく、そいつの姿は見えなくなってしまう。なんて礼儀のないガキだ。せっかくいいところだったのに、助けてもらっておいて自由人すぎる。
「名前聞くの忘れてたな……仕方ないか」
はあ、とため息をついて頭をかく。
ドゴォオオオオンッ
不意に二、三キロ程離れた場所から、凄い物音と共に砂煙が上がった。間違いなくネイバーだろう。忍田さんが言ってたゲートって、あそこか。
「あんだけ離れてちゃあ肉眼で見えるワケがないな、やっぱアイツ……」
これは、とんでもない原石を拾ったようだ。
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亜桜(プロフ) - 百瀬さん» ご指摘ありがとうございます！固定夢主の名前を変換しそこねていたようで……大変失礼しました;;気付いたところから修正していきます。 (2023年1月5日 0時) (
レス) id: 8ae19fe800 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 - 途中途中で名前が"紗雪"になってますよ〜！ (2023年1月3日 12時) (レス) @page47 id: 6aa4d6dc2c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 柊那さん» ありがとうございます(´;ω;`)修正多めのマイペース更新で申し訳ないですが頑張ります！！ (2018年5月18日 13時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - 面白かったです！続き楽しみてしてます。更新頑張ってください( -`ω-)b (2018年5月18日 2時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 藤見日和さん» わざわざ有り難うございます！！わがままな作者で申し訳ないです（汗）必ず戻ってきます…！ (2016年11月24日 20時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2015年8月5日 16時
