Episode007 ページ8
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火傷に気が付かないなんておかしいと、自分でも思う。しかし、最近結構こういうことが増えていた。紙で指を切ったときもしばらくしてから痛みを感じたり、冷たいものに触れても感じなかったり。
全て、あの大規模侵攻の日から増加しているような気がする。
その日も授業が終わって、私は米屋と一緒に下校していた。家路にある建物は少し崩れてて、いくら平穏が戻ってきたと言えども、確実に被害は受けたのだなと実感する。
”ウーーー”ウーーー
「あ、サイレン」
「またネイバーだな」
ボーダーとかネイバーとか、知らない単語をたくさん耳にするようになって、こうやってたまにサイレンの音も訊こえるようになって。ガラリと、三門市の日常が変わってしまった。だけどネイバーはボーダーが設けた警戒区域内にしか現れなくなったし、時間も経ってあの侵攻もどこか遠い世界の話のように感じていた。
『ネイバー駆除完了』
ああ、何か聴こえた。
大規模侵攻以降、あの脳内に直接視えたり聴こえたりする現象は、以前よりはっきり感じるようになった。聴こえるだけのとき、視えるだけのとき、両方の時といろいろあって、その規則は私には皆目検討もつかなかった。今聴こえたのはボーダーの任務中の声だろう。毎日毎日、私の入隊したい気持ちを煽るようにこの現象が起こる。任務の様子とかを視ると余計に入りたくなるし、本当に勘弁してほしいものである。
「じゃあね、米屋」
「おう、気をつけてな」
家が近いと言えども学校から家までずっと米屋と同じ道というわけではないので、いつも途中で米屋と別れる場所がある。今日もそこへ辿り着いて、そこから私は一人で歩きだした。
『これで全部？』
一人になると、また任務中のボーダーの様子が視えた。恐らく近くの警戒区域内で、ボーダーがネイバーを倒した光景だろう。その武器、いいなあ。どうやって使うのだろう。私にも、使えるのだろうか。……警戒区域内。今の私にはとんでもない誘惑だった。
「は、入るだけなら……」
あっさりと、私は家とは別の方向に向かって、足を運んでしまう。警戒区域。さっき視えたボーダーが戦った跡が残っている。ああ、なんて誘惑に弱いのだろう、私の心は。
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亜桜(プロフ) - 百瀬さん» ご指摘ありがとうございます！固定夢主の名前を変換しそこねていたようで……大変失礼しました;;気付いたところから修正していきます。 (2023年1月5日 0時) (
レス) id: 8ae19fe800 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 - 途中途中で名前が"紗雪"になってますよ〜！ (2023年1月3日 12時) (レス) @page47 id: 6aa4d6dc2c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 柊那さん» ありがとうございます(´;ω;`)修正多めのマイペース更新で申し訳ないですが頑張ります！！ (2018年5月18日 13時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - 面白かったです！続き楽しみてしてます。更新頑張ってください( -`ω-)b (2018年5月18日 2時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 藤見日和さん» わざわざ有り難うございます！！わがままな作者で申し訳ないです（汗）必ず戻ってきます…！ (2016年11月24日 20時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2015年8月5日 16時
