Episode025 ページ26
米屋side
目の前の二人がジュースをすすった。基地のフードコートに、出水、亜桜が隣合って座っていて、オレは出水の正面に座っている。
「まさか亜桜と出水がチームメイトなんてな」
オレは半笑いでハンバーガーにかぶりつく。二人は不満げに、将来的にね、まじねーわ、とそれぞれ溢した。たまたま筆記試験で隣の席になった二人が、将来チームメイトとして一緒に戦うことになるだなんて。少女漫画でもびっくりな急展開だ。
「絶対私が先にＢ級上がるから」
「百パーねえな」
「はあ？」
「おー怖え怖え。ほんと可愛くねーな」
「別に出水に可愛いって思われても嬉しくないんだけど。迅さんみたいな人がいい！」
亜桜が飲んでいたジュースをガンッと机に乱暴に置くので、出水が頬杖をつきながらからかう。「まあまあ」とオレは正面からそんな二人を見ていた。そういえば亜桜、最初は出水に対してワントーン高い声で話してたし、口調もお得意の詐欺口調だったのに、最近オレと同じ接し方になってきたな。打ち解ける時間が結構早い。
「ほんと先輩好きだなお前」
「悪い？」
「ほんと仲良いよなー……」
「なんか言った？」
「？なんだよ」
亜桜が出水と反対方向に頬杖を付いて、二人は目を合わせないまま会話を続けた。そしてどうやら心の声が漏れていたようで、オレの言葉に二人が反応する。別に二回言うほどの事ではないので、あーいや……とオレは言葉を濁した。
「なんかオレ、お前らに置いてかれそうで怖いわ」
オレはハンバーガーを完食して、包み紙をトレイの上に置きながら、半分冗談でそう言った。これから二人は同じ隊になる。どんどん二人が先に歩いて行ってしまうかもしれない……色んな意味で。
「え、なに実力？そりゃ米屋だけじゃなく出水も置きざりだわ」
「は？おれがずば抜けて実力あるだろ」
「バカそーゆー意味じゃねーっつの」
亜桜が嫌な笑みを浮かべて、オレはケラっと笑った。亜桜と出水の頭上に？マークが浮かんでいるのが分かったので、それ以上は諦めて何も言わないことにする。もう既に、この二人にはどこか似たところがあるような気がする。
「よくわかんないけど、実力以外は置いてかないから安心して」
亜桜がジュースを飲み干して言った。その言葉に、オレは少し固まってから「おー」と返した。というか、実力に関するその自信はどこから湧いているのやら。
「ま、気楽にいこうや」
「そうだな弾バカ」
出水が、誰が弾バカだ、とオレを睨んだ。こんなふうに、ずっと三人でやっていけたら……。それも悪くない未来、だな。
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亜桜(プロフ) - 百瀬さん» ご指摘ありがとうございます！固定夢主の名前を変換しそこねていたようで……大変失礼しました;;気付いたところから修正していきます。 (2023年1月5日 0時) (
レス) id: 8ae19fe800 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 - 途中途中で名前が"紗雪"になってますよ〜！ (2023年1月3日 12時) (レス) @page47 id: 6aa4d6dc2c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 柊那さん» ありがとうございます(´;ω;`)修正多めのマイペース更新で申し訳ないですが頑張ります！！ (2018年5月18日 13時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - 面白かったです！続き楽しみてしてます。更新頑張ってください( -`ω-)b (2018年5月18日 2時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 藤見日和さん» わざわざ有り難うございます！！わがままな作者で申し訳ないです（汗）必ず戻ってきます…！ (2016年11月24日 20時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2015年8月5日 16時
