ワイテる方達との話 【短編集】

共通の趣味 ページ19

きんときside

『ねえきんとき、この写真どう思う？』

kn)「どれどれ？おーいいじゃん！編集上手くなったね」

『でしょ〜？』

夕日が差し込む放課後の教室で、俺Aは一緒にいた。
毎日放課後残って夕日の写真を撮るのがAの趣味。俺は空を見るのが好きだから彼女の趣味に付き合ってあげていた。
彼女の趣味を知ったのは去年の夏。
その日は忘れ物を取りに教室に来たんだけど、もうすぐで下校時間なのにまだ帰ってない人が居て。
それが彼女、Aで、彼女はスマホで撮った写真を編集していた。
俺が教室のドアを開けるとびっくりしたようにこっちを見るA。
その時の彼女の目が綺麗で…。
昼間でも目が離せなくなっていて、いつしか気になる人から好きな人へと変化していた。
出会った日から丁度1年。
俺は今日、彼女に告白しようと思ってる。

ーーー下校時間まであと10分。

『ねえ、知ってた？きんときと出会ってから今日で1年なんだよ。』

kn)「そうなんだ、考えたこともなかった」

めっちゃ考えてるけどね。

『私ね、好きな人がいるの』

kn)「そうなの？」

好きな人…か…

『その人に気持ち伝えたらもう空撮るのやめようと思ってるんだ』

kn)「なんで、？」

やめたら、もう一緒にいられないじゃん…、

『だって告白したらどっちにしろ一緒にいるし。』

kn)「…どゆこと？」

『んーと、いつも放課後きんときと一緒にいるでしょ？それって友達としてじゃん。きんときと一緒にいる為には放課後空を撮らないといけなくて….、』

kn)「え、それって、」

『友達として一緒にいる為には空を撮らないとだけど、恋人として一緒にいるなら撮る必要は無いでしょ？』

kn)「なんで先に言うんだよ、ばか。」

『え、』

kn)「Aのことが空を見ることよりも、なによりも好きです。俺と、付き合ってください」

『私で、よければ…』

kn)「あーもう！すごい緊張したんだから！！！あと告白がわかりにくすぎるんだよ！ばか！！！」

『ごめんって…！』

kn)「ほら！もう帰るよ！明日も空、撮るからね」

『え、でも、』

kn)「でもじゃない！俺はAといられるだけで嬉しいの！」

『…！……ありがとう///』

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