【WT】ペーパー・ムーン【メモ帳】 (ページ12)

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br「そういえば僕たち名乗ってばかりで、キミの名前は聞いてなかったね。よかったら教えて？」

Nakamuときりやんには悪いけど、「先に帰る」とだけメッセージを送って、返事も待たずにBroooockは車を出した。
既読が付かないところを見るに、どうせあの集まりを楽しんでるのだろう。とりあえず放っておく。

『……A、AA。白尾大の1年です』

sh「じゃ俺たちの後輩か」

br「Aちゃんね！可愛い名前。僕たちも白尾大なんだぁ。みんな3年だから、Aちゃんの2こ上かな？」

運転しながら喋るBroooockに、助手席のきんときがAに目配せする。

kn「Broooock、あんま干渉しないであげた方がいいんじゃない？ごめんね、怖かったらすぐ言ってね」

『いえ、……ありがとうございます。お気遣い頂いて、……その』

Aというその子とちゃんと目が合ったのは、その時が初めてだったかもしれない。

『スマイル、さん？でしたっけ…… ごめんなさい、私のために怪我を……』

sm「え？あ、……それは、全然」

正直、庇護欲から入ったのは認めるしかない。

Aがものすごく可愛く見えたのは、自分が生まれて初めて助けた女の子だったからだ。

だから俺はこれが恋の始まりの予感だなんて思ったのは気の迷いだと、早々に蓋をした。

あとでNakamuときりやんに会場から帰ってくるのにめちゃめちゃ苦労したってギャーギャー文句言われたって話しは、関係ないから忘れておく。