検索窓
今日:3 hit、昨日:18 hit、合計:539,635 hit

誰がロックを殺すのか ページ8

.



彼女の例の伝説の狙撃手時代の話をすると彼女の他にもう1人犠牲になる人物がいる。言わずもがなその試合で彼女に撃ち抜かれた辻である。

「えっと、その……」


今彼女と辻は窮地に立たされていた。
太刀川隊のお使いの使命をよく受ける彼女は、本日も太刀川経由で二宮にお使いをしにやって来た。普段の時間なら二宮が隊室にいると踏んでいた彼女は何の気なしに二宮隊の隊室までやって来たが、いざ蓋を開けるとそこには彼女がボーダー内でもっとも気まずい人間である辻のみがいた。

辻はどうやら学校から出された課題をしていたようで、突然の来訪者に握っていたシャーペンの芯を勢いのあまり折った。

お互い気まずい沈黙が流れる中彼女は振り絞り「あの、二宮さんいますか……」と声をかけるも辻は異性に加えて別の理由を揃えた彼女を前にして「ふ、ざいです……あの……」といつも以上に挙動不審になっていた。
肝心の頼みの綱である氷見も犬飼も不在の中、辻は彼女を1人置いて隊室を出ることも出来ず、彼女を招き入れるとお互い気まずい空気の中向き合って座っていた。はたから見たらお見合いのような様子だが、当の本人たちはお互い言いづらい感情を抱えて目を伏せていた。


「あの、」
「ぁ、はい!?!」
「ランク戦の……1年前、あの……ホントすみませんでした……」
「ぃや!ぁ……ランク戦、だったし……気にしてないです、はい……」

辻は頭を抱える。自分が1年前のランク戦のことを引きずっていることを早々に彼女に謝罪されてしまったことに加えて、辻は彼女をそれ以降何かと目で追うようになっていた。つい最近まで「可愛いなぁ」とすら思っていたくらいには、彼女のことを気にしていたのに、その相手に気遣わせてしまったと二重苦を背負い辻は頭を抱える。
彼女も彼女で辻が異性に免疫がないことを利用して特攻狙撃をしたことをずっと申し訳なく思っていた。


辻は二宮でも犬飼でも氷見でも誰でもいいから来てくれと、切に思った。



.


「すごい空間」
「はやく辻くんのこと助けなきゃ」
「ひゃみちゃんもうちょっと見とこうよ」
「辻くんAちゃんのことちょっと気になってるらしいから死んじゃいますよ」
「あはは、だから面白いんじゃん」






■ 辻
過去Aに特攻狙撃をされた男。特攻狙撃以来何かとAのことを見るようになってちょっと可愛いなって思っているけど、特攻狙撃のことを思い出して恥ずかしさで死ぬので今のところ進展はない



.

異空間ダンスバトル→←鳩尾を外される



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (418 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1224人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:40 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年2月26日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。