因果因縁【WT】 (ページ19)

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暴れる子にキスをページ19

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「おつかれー！玉狛第二勝利おめ！」

その日の夜、ランク戦をギリギリ勝ち抜いた玉狛第二を祝いに来た彼女を玉狛の皆は通常通り出迎えていた。わしゃわしゃと空閑の頭を撫で回すと空閑は満更でもなさそうに「ありがとう」と言うのに続いてて三雲と雨取も彼女に礼を言う。

ヒュースと共に本部から来た彼女はヒュースが入隊1日でB級昇格したことを言えば、小南や三雲は驚きを隠さずヒュースにあれこれと聞いている。構われて満足気なヒュースを横目に彼女は烏丸に手土産のみかんを渡す。

「ふむ、でもいいのか？こかじ先輩」
「？どういう」
「だって生駒隊の狙撃手と王子隊の射手の人はこかじ先輩の弟子なんでしょ？」

白目むいて倒れた彼女を分かってたかのように支える烏丸に空閑は首を傾げた。あれだけ空閑にバラそうとしていた村上や影浦に釘を指していても、悪意のない小南からバラされたのであれば彼女は責めることも暴れることも出来ない。
どうやら三雲も雨取も話を聞いていたらしく、そうだと思い込んでたらしい。芸の豊富な彼女ならどのポジションでも弟子がいてもおかしくないから小南にそう聞かされてもそんなに違和感を感じなかったらしい。しかしその小南本人もデマを信じてるんじゃしょうがない。納得がいかないのか説得できる語彙力がないのか「うー」と唸る彼女に、烏丸が助け舟を出す。

「コイツは弟子とってないぞ」
「そ、そう！あれは！非公認なの！勝手に弟子って言ってるだけ！」

聞いていた小南は「そうだったの？！」と三雲に突っかかり始めている。ふむと言って納得してくれた空閑を見て彼女は烏丸に感謝の視線を送ると、烏丸は静かに頷いた。自分の好意を寄せてる異性に触れられて、尚且つ感謝の視線を貰えた烏丸は十分に満足したのだ。たしかなまんぞくとはこのことだ。

「あっヒュースくんおかえり～Aちゃんも来てるね。いらっしゃい、今日泊まり？」

丁度よく部屋の扉を開けた宇佐美がニヤニヤとした顔で烏丸の方に視線をやった。
烏丸はその視線を無視し「立てるか」と再度彼女の体を支え直すのだった。

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■ 宇佐美
烏丸の気持ちに気づいてニヤニヤとする優秀メガネしおりちゃん。Aとは本部時代から菊地原とまとめて可愛がっている。なんなら本部時代からニヤニヤと見守っていたところまである。この前Aといっしょにお菓子作りをした

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