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扁平足のシュゼット ページ46

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「孤月は投げんじゃねぇ!!」
「攻撃方法としては正解ではあるって言ってくれたのに!!」
「それは実践の一例としてだ!スコーピオンの癖でやってんじゃねぇ!!孤月は孤月として使え」

ランク戦ブースで騒ぐ荒船と彼女を見て、いつかの狙撃場でもこんな光景を見たことがあったことを思い出す穂刈と当真、その師弟喧嘩の見物によく来ていた犬飼は楽しそうに笑っていた。


「おっ久しぶりのコンビだねぇ」
「アイツ孤月にまで手ぇ出してんだよ、最近」
「Aは意外と浮気性だなァ」
「人の人格疑われるような言い方しないでください!」

怒られているそばで話す犬飼たちに食いつく彼女を荒船は首根っこを掴み引っ張る。

「もう10戦するぞ。おまえは受け流しが上手いからそのまま受け流しでさばきながら首取りに来い」
「注文が多いんですが!」
「うるせぇやれ」

少なくとも村上の時と教え方が違うと言う彼女を無視して荒船たちは再度ブースに姿を消した。


「にしてもなんで今更孤月?またサイドエフェクトかぁ?」
「どうやら唆されたらしいぞ、迅さんに」
「迅さん絡んでんのか」
「あの子なんだかんだ迅さんの言うこと聞いちゃうよねぇ」
「付き合い長いらしいしな」

ポジションが全員違うためあまり絡むことの無い迅の話をしながら荒船に切られる彼女を画面を見る。
スコーピオンで活き活きと戦場を駆ける彼女はおらず、慣れない武器に悪戦苦闘する彼女は普段そうお目にかかれるものではなく3人とも心底面白いといった顔をしている。
あっという間に終わった10戦から帰ってきた彼女は悔しそうに眉をひそめながらギャアギャアと師匠の荒船につっかかっていた。

彼女は師匠だろうと文句があればすぐに本人に申し立てる。自分よりも2つ上の荒船と影浦が師匠にいようがいまいが、誰にだってそうだった。

影浦が彼女をなんだかんだ弟子としてそばに置いていたのも、変に考えて自分を刺激してこないから気が楽だったのだろう。


「今の小鍛冶ちゃんなら簡単に勝てそう」
「犬飼先輩なんてすぐに切り落としてみせますけど?!」
「噛み付くなばか」

荒船に頭を掴まれ彼女は唸る。
今ならいい的になりそうだな、と穂刈と当真が意地悪く笑えば、おまえらなぁと荒船はそばにいた穂刈の脇を小突いた。




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ララバイの前置き→←楽園に1番近いところ



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作者名:40 | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年12月3日 0時

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