合縁奇縁【WT】 (ページ39)

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点Pの伏線回収ページ39

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太刀川隊での反省会により狙撃手は辞める方向で固まったことを師匠である荒船に伝えれば荒船は「それが賢明だ」と頷いた。

「せっかく教えてくれたのに何も出来なくてごめんなさい、」
「……ッあー、俺は結構あーいうの好きだから怒れねぇ。アクション映画みたいだったし、かっけぇじゃん。でも俺が良くても太刀川さんたちにとってはダメだろ。せっかくA級1位の部隊にスカウトされてそこで頑張ろってやってきたのに無駄にしちゃ｣

ごもっともだった。落ち込む彼女を見て慰めのつもりだったがいつの間にか正論を投げ付けていた荒船は、さらに落ち込む彼女を見て眉をひそめて頭をガシガシとかいた。既に潤んだ瞳に、目の縁が赤いことを見れば彼女が太刀川隊で泣いてたのは明らかであった。言葉選びが難しいな、と思う反面誰かに似てるな、とも思った。

「お、荒船に小鍛冶じゃないか。おつかれ」

手をひらりと振りやってきた村上は、つい先程まで荒船と共にランク戦を見ていた相手だ。激励のつもりなのか、村上の手に飲み物が3本握られているのを見ると、荒船は納得した。彼女を違う誰かに重ねたのは、他でもなく攻撃手時代の弟子の村上のことだった。

似た者しか揃わねぇな、荒船はそう小さく呟いた。

「すごかったなカチコミスナイプ」
「うれしくない……」
「でも東さんも褒めてたよ」
「えっ」
「あれは俺でもできないって」
「あああ……」
「鋼もそれくらいにしとけ」

楽しそうに笑う村上も、当初威嚇ばかりされていた頃に比べたらかなり仲も良くなり今では村上から彼女を構いにいける距離感を得た。だがしかし彼女にとって最大と言っていい黒歴史になったこの試合の直後に傷を触れられるのは、あまりにも可哀想なことだと荒船は助け舟を出す。

スマンスマンと彼女の頭を撫でる村上に、彼女はべそべそと泣き出してしまう。

「あ～……」
「泣かせちゃった」
「ないでまぜんﾞけど？！」
「無理あるだろ」
「ホントごめんな小鍛冶。ほら、好きなの選んでいいぞ。別のでもいいからな、買ってやるから」
「これﾞ」
「りんごジュースで満足してんなよ小鍛冶。カゲんとこでメシ行くぞ」
「荒船持ちか？」
「ったりめぇだろ。俺はおまえらの師匠だからな」

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影浦が師匠になるのはこのすぐ後くらいです