【wt】それは運命(さだめ)だった

14.『不器用な彼』 ページ18

＿＿Side ねむ

「とうっ」

そんな声を発して、鉄板の上のお好み焼きをひっくり返した。綺麗にひっくり返り、周りからの歓声を得た。

あの後、二宮さんから逃げきり影浦(カゲ)の家であるお好み焼き屋へと来ていた。カゲは『感情受信体質』という自分に向けられている感情が伝わる副作用を持っている。それのせいで、ちょっと騒動を起こして8000ポイント取られた。

そう言えば、B級上位二位は何か罰系が多い。一位の二宮隊には同情しないが、二位である影浦隊のカゲはしようがないのではないか。

副作用のせいなのだから。

彼は、根はとても良い奴なんだ。

それをわかってない奴が多すぎる。

自分でも悪口を言われたら嫌だろうに。

「カゲ、豚玉うまい」

そう言えば、カゲは全部食えよと笑った。

それは保証できない。

「音無さん、食べきれなかったらカゲが食べてくれるから大丈夫」

鋼がカゲの横から言う。カゲがはあ！？と声を上げた。私はそれを見ながらクスクスと笑ったのだった。

ああ、やはり彼らは面白い。

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