A級一位部隊の狙撃手【ワールドトリガー】 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:18,020 hit

三話ページ3

遠征艇から降りたAは口元を押さえて、ふらふらとトイレへ向かった。

「A」

その最中、彼女を呼び止める声が聞こえて、ゆっくりと振り返る。

そこに居たのは、あまり本部に来ない迅だった

「迅さん…こんにちは…」

「やっぱり辛そうだな。酔ってから効く薬があるんだけど、いる？」

「ください」

きっと視えていたんだろう。

迅は懐から薬の箱を出してAの手の上に置くと、そのまま手首を掴んだ。

早く薬が飲みたいというのに、これでは飲めない。それどころか箱からも出せない

「……迅さん、のめないんですけど」

「知ってる。」

「…いじめですか」

「交換条件あるんだけど」

彼はそこで手を離すと、軽く腰を折ってAの目線に合わせた。

そしてニヤッと笑う

「今から俺に着いてきて」

「……はい？」

意味のわからない言葉にAは思わず首を傾げた。迅はただニヤニヤとするばかりで、「ほら早く早く～」なんて言うばかり

「(薬貰ったのに、なにもしないのは流石に悪いよね……)

わかりました、着いてきます」

水無しでも服用できる薬を説明に書いてある分飲み込んで、Aは迅の後ろを歩き始めた。