A級一位部隊の狙撃手【ワールドトリガー】 (ページ2)

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二話ページ2

「……気持ち悪っ」

そう、ボソッと呟くように唸ったのは、太刀川隊狙撃手の木ノ下A。

彼女は艇内の壁におっかかって目を瞑って耐えていたのだが、それすらも限界に達する。

「おいおい、大丈夫か？」

「…頷きたいところだけど、ちょっとね」

そう言って心配して声をかけてきた当真に苦笑いを浮かべた。その顔色は決して良いとは言えない。

「飴舐めます？行き際に米屋から貰ったやつですけど」

「貰う…」

「これくらいで酔うとかしっかりしてよね」

「ごめん、菊地原くん…あんがと」

出水は気を利かせてAに飴を渡し、悪態をついてる菊地原もなんやかんだ隣に座っているので、当真と同じく心配してるんだろう

「ほらA頑張れよー、あと少しで着くから」

隊長の太刀川も前の席から声をかけ、Aはそれに頷いた。

首を動かす度に気持ち悪くなるのは仕方ない。それにあと少しで着くと隊長が言ってるのだから、我慢しなければ。

「大丈夫だ木ノ下……俺も気持ち悪い」

「……洒落になりませんよ冬島さん」

Aの一つ前に座る冬島も、顔色が悪い。

始めに酔ったのは冬島なので、Aに関してはそれが移ったとも言えるだろう