恋の上昇数値 【水上敏志】

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俺があいつを好きになったんはこの学校に転校してあいつを初めて見た時やった



ま、よーするに " 一目ぼれ " っちゅーやつやな。



けど、実際にええな思たんは実物やなくて
写真を見てからやった。



1年の時に転校してきて委員長務めとったクラスの女子が校内を案内してくれた



｢ここが写真部が展示するコーナーね｣

｢ほー。｣



正直写真なんてどうでもええ。はよ、将棋部とか案内してくれ。

まあ、ボーダーやから入れんけど。



とか思いながら展示されとる写真1個1個流し見しとったら1個気になるのがあった



｢窓辺の少女…｣


なんやえらい安直なタイトルやなって思ったんは内緒やで。



けど、その写真に写っとる子は明るい茶色の髪しとって本を読んどるのを横から撮ったような写真やった


他の写真は全然覚えとらんのにその写真だけはよー覚えとる。


今思えばその写真を見た時から既に気になっとったんやろな。



んで、その写真の横に顔がはっきり写っとるのが展示されとって、



それを見た瞬間に俺はその写真の子に目を奪われた



｢いや、可愛すぎやろ…｣



近くにおった委員長の女子に聞こえるか聞こえんかくらいの声で呟く



俺が立ち止まってるのを見て話しかけてきた


｢その写真の子、私たちと同じ学年だよ｣


｢…何組なんこの子｣


｢確か…B組だったと思う｣


｢B組…｣




俺が今日手配されたクラスは確かC組やゆーてたな。


つーことは隣のクラスか。




それから写真部の展示コーナーから離れて

よーやく将棋部を紹介されたけど、
つい最近までプロ棋士目指してたほど将棋好きの俺が、


写真の子のことが忘れられんくて、何言われたか正直よー覚えとらん。

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