恋の上昇数値 【水上敏志】

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あれから数日して今日も電車に揺られながら小説を読んで登校する



啓太、ちゃんと女の子こと好きなんだね。
キープとかじゃなかったんだね。


小説の中の登場人物である啓太は大阪出身の関西人でクラスの女の子に一目惚れをしている。


その持ち前のコミュ力で女の子と仲良くなって女の子もどんどん啓太のことを好きになるんだけど、、


啓太は途中からある女の子と一緒に帰り始めて女の子はその場面を見てしまうんだよね。


まあそこからすれ違いが発生して読んでるこっちもモヤモヤするんだけど、

ちゃんと和解して無事付き合えたんだね。

よかったよかった。



読み終えた本を閉じて電車を降りる。


最寄りから少し歩いたところに私の通う高校はある


今日は予備の小説を持ってきてないからひたすら学校まで歩くしかなかった。



｢早梅ー！｣


と、その時に後ろから声をかけられる


あ、この声は…



後ろを振り返ると、走ってきたのかネクタイを少し緩めた水上がいた




『おはよう水上。走ってきたの？』


そのまま小走りで私の隣に並んだ水上に声をかける



｢おう。電車の中で見つけたんやけど今日人多かったやろ？？｣


言われてみれば今日はやけに電車内は人が多かった気がする。



｢早梅おったし一緒に行こう思ったんやけど、電車降りてから人多すぎてお前見失ったから、探しとったんや｣



まあ、追いつけたからええけどな。と着ていた学ランを脱いでいる



暑くなるまで走ってきたんだ、なんか申し訳ないな…。



『電車の中で声掛けてくれたら良かったのに』


｢いや、あんな人多い中しかも離れた距離から呼ぶとか恥ずかしいやろ｣



『それはそうだね(笑)』



他愛もない話を繰り広げていると長く感じる学校に着いていた。



靴箱を開けて、上履きに履き替えたところで先に履き替えた水上の元に行く



｢今日は忘れもんしてへんやろな？｣


『あ、大丈夫だよ。ちゃんと確認したから』


ごめん水上、あの日数学の教科書ちゃんと持ってきてたよ。


文句ならいちめに言ってください←



階段を登って1番手前にあるのがD組だ


登り終えてD組の教室の入口に立つ。





｢あ、今日昼休み中庭んとこ来れる？話あんねんけど｣

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