SAT.22 ページ22
「ご苦労さまです。警視庁警備部です。会場まで誘導しますのでついてきて下さい」
「よろしくお願いします」
ちらりと後部座席も覗く。段取り通り、内閣官房長官の渡辺が車両左側に乗っていることを確認し、一歩下がる。
後ろの車両を見ると、制圧一班の小瀧が同様に確認作業をし、間違いないことを俺に伝えてくる。広場の方を見やり、制圧ニ班の亀田班長に確認が完了したことを手振りで伝える。
《B班亀田。マル対とA班の合流を確認。これより誘導を開始します》
《小隊長了解》
今一度合図を送り、誘導を開始する。
二台のセダンは、静かに指定場所で停止した。
まず降りてきたのは警備部警護課のSPだった。次に、後続車から出てきたのが大沼と分かると、一気に聴衆のボルテージは上がり、惜しみない声援を送った。
大波に呑まれたかのように、すべての音が歓声に押し潰される。
パパパンッ
それは銃声よりもクリアに、辺りに響き渡った。
驚いた聴衆がほんの一、ニ秒、静まり返る。俺はその間に、大沼総理の方へと移動した。
この数秒の間に、一体何が起きたんや…………??
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作者名:そら | 作成日時:2021年2月28日 9時