生活安全課.27…side you ページ27
SATの隊長だと察せられる方が、一歩前に出て口を開く。
「………本日、我々が新宿東口広場における、民自党の東京一区公認候補、選挙演説の警備に当たっていたところ」
「官房長官は射殺されたが総理は保護したって話なら聞いてるぞ」
警視長が口を挟む。
「いえ………」
彼は気まずそうに眉をひそめ、生唾を飲むようにいったん口を結んだ。
「………実はその、総理を保護したというのは、誤報でした」
「はぁ?」
警視長が鼻筋に皺を寄せて睨みつける。
「事件発生当初は極めて混乱状態にありました………言い訳にならないことは百も承知ですが。当部隊の隊員が総理を保護したと、その内部報告を鵜呑みにしていました。ですが、少し状況が落ち着いてみると、その後、総理を受け入れたという知らせはどこからも入ってない。慌てて関係機関に問い合わせを始めたところ……」
彼は近くにあった大型の液晶モニターを警視長に向けた。
「これは、新宿署が管理している歌舞伎町内の防犯カメラ、劇場前広場の映像ですが、ここに……民自党の公用車が停まっています。この車から大沼総理が降りる場面が確認されました。
以上の情報を整理して考えますと、総理は現在、あの歌舞伎町内にいるものと考えられます」
さすがの警視長は、しばし言葉を失っているようだった。
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作者名:そら | 作成日時:2021年2月28日 9時