蒼い眼差し�� ページ13
『…これ、砂糖入れましたか？』
Aは揺れる珈琲を見つめた。
「嗚呼。
…甘過ぎたか？」
中原はAの向かいに腰を下ろして珈琲を口に運んだ。
Aはゆっくり首を振る。
『…いえ、あの、
凄く好みの甘さだったので』
そう云ってAはもう一度珈琲に口をつける。
「珈琲には角砂糖二個。
苦いの苦手な手前は何時もそうだろ」
お子ちゃまだな、と鼻で笑いながら中原は云った。
Aはムッとする。
『苦手なものは苦手なんです、って…あれ、』
何かに気付いたように中原を見るA。
『…私、中原幹部に苦いの苦手なこと云いましたっけ』
Aがそう云った途端、
中原は珈琲を飲む手が止まった。
『珈琲に角砂糖二個、なんて立原たちしか知らない筈…』
少しの沈黙があった後、
中原は洋杯を机に置いた。
「……その立原が云ってたんだよ。
前、飲みに行った時にな」
中原がそう云えば、
Aは成程、と頷いた。
そんな彼女を、
中原は切なそうに見つめる。
「…んで、俺に何の用だったんだ？」
話を本題に戻すように、
中原はソファに寄りかかりながら云う。
『あ、いえ、中原幹部もお話があるのですよね…？
でしたら先にどうぞ』
Aがそう云うと、
中原は「嗚呼、」と云ってバツの悪そうに視線を逸らす。
そして帽子を取って、深く頭を下げた中原。
「________すまなかった」
『えっ』
中原の突然の行動に、
Aは困惑する。
中原はゆっくり顔を上げ、
その顔を歪ませながらAを真っ直ぐ見た。
「俺の注意不足で、手前を危険にさらした。
助かったと云えど、本当にすまなかった。」
そして再び頭を下げる中原。
『顔を上げてください！
貴方のような方が、こんなこと…』
「部下一人守れなくて、幹部なんざ務まらねェ」
『そんな事ないです…！』
兎に角顔を上げてください、と云うAに、
漸く中原は顔を上げた。
『私も、その件でお話があったので…』
「！」
微かに中原は反応するが、
Aは其の儘続ける。
『私、あまりその時の状況を覚えてなくて、
広津さんに後から聞きました。
でもその時、私は思ったんです。
貴方が助かって良かった、と』
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花蓮(プロフ) - ｢戀蝶｣から愛読させて貰っています！文ストの小説の中で一番好きです!!!!更新頑張って下さい！これからも応援しています！ (2019年1月2日 16時) (
レス) id: ca285a2166 (このIDを非表示/違反報告)
林檎@諸事情につき低浮上(プロフ) - つ、続きをどうか... (2018年7月21日 23時) (レス) id: 4706140a44 (このIDを非表示/違反報告)
花翠(プロフ) - くるみさん» コメントありがとうございます。オチについてはもう既に決まっています。どうなるのか此処で云うことは出来ませんが、最後まで読んで頂けると幸いです。どうぞ宜しくお願い致します！ (2018年5月27日 17時) (レス) id: 30d88a45be (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 銀ちゃんの辛さもすごくわかります。立原の恋も応援したいですが中也の恋も応援したいです！でも私は中也おしなので中也オチでおねがいしますね！！（もちろん立原もおしキャラですけどね！！） (2018年5月23日 6時) (レス) id: 31ba52f844 (このIDを非表示/違反報告)
花翠(プロフ) - shinox2さん» コメントありがとうございます。立原くんの活躍する小説が少ないなと思ったこともあり、メインのうちの一人とさせて頂きました。ご期待に添えるように頑張ります！ (2018年5月22日 0時) (レス) id: 30d88a45be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花翠 | 作成日時：2018年5月21日 12時
