蒼い眼差し�� ページ12
靴音を鳴らしながら
Aはポートマフィア本部の廊下を歩く。
擦れ違う黒服の人達に挨拶を交わし、
上に上がっていく昇格機。
重力がAの躰を支配する。
何時もより躰が重く感じるのは、
昇格機の所為だけじゃない気がした。
ちん、という音がして
ゆっくり目の前の扉が左右に開く。
再び歩き始めると、
一つの部屋に辿り着いた。
深呼吸してから腕を上げて
その部屋の扉に触れてノックしようとする。
そんな時だった。
「_______俺の部屋に何か用か」
背後から声が掛かり、
Aは勢いよく其方の方を振り向いた。
蒼い双眼と視線が重なる。
その蒼い双眼は、少しだけ驚きの色を含んでいた。
「…あ、」
『おはようございます、中原幹部』
中原が口を開いていた状態で、
Aは丁寧に挨拶をする。
「はよ」と少し間が空いてから
中原も挨拶を返した。
そして彼は部屋の扉に触れる。
目線は此方を向いていた。
「用、あるんだろ？」
入れよ、と云うように扉を開けた。
Aは慌てて手を振る。
『いえ、そんな大層な用ではありませんので…』
「遠慮すんな、丁度俺も話したい事あったしな」
そう云って笑う中原は、
部屋の中に入って行く。
Aは戸惑いながらも中原のあとを追って部屋に入った。
そして中原にソファに座るよう促され、
其の儘Aはソファに腰を下ろす。
「珈琲で佳いか？」
部屋にある台所のような場所で中原は云った。
『はい……って、そんな！大丈夫です！』
幹部の部屋に入るのでさえ烏滸がましいのに、
更に珈琲なんて…という思考を巡らせたAは全力で首を振った。
それでも中原は
「俺が淹れた珈琲は飲めねェ、ってか？」
『ち、違います！』
あたふたとするAを見て、
中原はくつくつと笑う。
「判ってる。
…ほらよ」
そう云って中原は珈琲の入った洋杯を
Aの目の前に差し出した。
Aは申し訳なさそうにしながらも、
その洋杯を受け取る。
ふわりと香った、珈琲の匂い。
一口その珈琲を飲むと、
優しい甘さが口いっぱいに広がった。
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花蓮(プロフ) - ｢戀蝶｣から愛読させて貰っています！文ストの小説の中で一番好きです!!!!更新頑張って下さい！これからも応援しています！ (2019年1月2日 16時) (
レス) id: ca285a2166 (このIDを非表示/違反報告)
林檎@諸事情につき低浮上(プロフ) - つ、続きをどうか... (2018年7月21日 23時) (レス) id: 4706140a44 (このIDを非表示/違反報告)
花翠(プロフ) - くるみさん» コメントありがとうございます。オチについてはもう既に決まっています。どうなるのか此処で云うことは出来ませんが、最後まで読んで頂けると幸いです。どうぞ宜しくお願い致します！ (2018年5月27日 17時) (レス) id: 30d88a45be (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 銀ちゃんの辛さもすごくわかります。立原の恋も応援したいですが中也の恋も応援したいです！でも私は中也おしなので中也オチでおねがいしますね！！（もちろん立原もおしキャラですけどね！！） (2018年5月23日 6時) (レス) id: 31ba52f844 (このIDを非表示/違反報告)
花翠(プロフ) - shinox2さん» コメントありがとうございます。立原くんの活躍する小説が少ないなと思ったこともあり、メインのうちの一人とさせて頂きました。ご期待に添えるように頑張ります！ (2018年5月22日 0時) (レス) id: 30d88a45be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花翠 | 作成日時：2018年5月21日 12時
