Prolog ページ1
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耳に響き渡った乾いた音。
それは私にとって、よく聞き慣れたモノで。
私だったらもっと鋭く撃てるのになぁ。
そう云えば明日は相棒と射撃戦やるんだった。
勝ったら、あの人は褒めてくれるかな。
…なんて。
呑気に考えを巡らせていると
身体が地面に叩きつけられる。
…嗚呼、痛い。
世界が反転すると、
じわじわと鮮やかな
それが自分の身体から流れていると判るのと同時に、
胸の方が急に苦しくなってくる。
________そうか、私は撃たれたのか。
先程から感じる痛みは、
地面に叩きつけられたからじゃなかった。
「Aっ…！？」
焦った声と、
複数の足音が近付いてくる。
「A！おい、しっかりし……」
声の主は、私を見ると言葉を失った。
顔を真っ青にした あの人 に 相棒たち。
グッと唇を噛み締め、
あの人は自分の外套を私の傷口に当てた。
『…ッ、そんなこと、しても無駄、です』
「巫山戯ンな……！
直ぐに首領に診せればまだ間に合う_______ 」
『莫迦…ですね、私でも、判りますよ』
______自分の
私がそう云えば、
あの人は悔しそうに外套を握り締めた。
「何故…俺を庇った」
『愚問、ですね』
私は朦朧とした意識の中、
無理矢理口角を上げる。
『貴方には、生きて、欲しかった、から…』
あの人の瞳が大きく開かれる。
とても綺麗な蒼い瞳。
「莫ッ迦野郎…！手前が居なきゃ、俺は…俺は」
そう云いながら歪んでいく あの人の顔は、
柄にも無く泣きそうで。
私は精一杯の体力を使って震えながらも片腕を上げ、
あの人の頬に手を添える。
『________大好きです、中也さん』
手に伝わる温度は暖かくて。
優しい温もりを感じながら瞼をゆっくり閉じる。
「…まてよ、A。おい…ッ…！」
するりと落ちる私の腕。
あの人はその腕を支えて何かを叫ぶ。
でも、
もう私の耳には届かなかった。
.
.
.
( さよなら、大好きな人 。)
( 来世で出逢うことが出来たなら、)
( また貴方と恋をしたいです。)
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花蓮(プロフ) - ｢戀蝶｣から愛読させて貰っています！文ストの小説の中で一番好きです!!!!更新頑張って下さい！これからも応援しています！ (2019年1月2日 16時) (
レス) id: ca285a2166 (このIDを非表示/違反報告)
林檎@諸事情につき低浮上(プロフ) - つ、続きをどうか... (2018年7月21日 23時) (レス) id: 4706140a44 (このIDを非表示/違反報告)
花翠(プロフ) - くるみさん» コメントありがとうございます。オチについてはもう既に決まっています。どうなるのか此処で云うことは出来ませんが、最後まで読んで頂けると幸いです。どうぞ宜しくお願い致します！ (2018年5月27日 17時) (レス) id: 30d88a45be (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 銀ちゃんの辛さもすごくわかります。立原の恋も応援したいですが中也の恋も応援したいです！でも私は中也おしなので中也オチでおねがいしますね！！（もちろん立原もおしキャラですけどね！！） (2018年5月23日 6時) (レス) id: 31ba52f844 (このIDを非表示/違反報告)
花翠(プロフ) - shinox2さん» コメントありがとうございます。立原くんの活躍する小説が少ないなと思ったこともあり、メインのうちの一人とさせて頂きました。ご期待に添えるように頑張ります！ (2018年5月22日 0時) (レス) id: 30d88a45be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花翠 | 作成日時：2018年5月21日 12時
