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10.危険人物 ページ13

「おめェ、こんな所でなにしてやがる?」


考えることに集中していたためか、気配に気が付かなかった。
…そうか、扉の鍵を閉めるのを忘れていた。過去の自分を呪ってやりたい。と、そんなことを言っていても目の前の敵がどうにかなる訳でもないのだが。


怪しい紫色の中でひらひらと舞う黄色の蝶。
男のくせしてこんな派手な着物を着るやつは、この男、高杉晋助だけであろう。


「音がすると思って来てみりゃ、どこかでみた顔じゃねェか。その様子だと、別に春雨に寝返ったってわけじゃねェだろ?」


「さぁ、どうでしょうね。でも、もしそうだったとして、貴方が第七師団の団員に攻撃したなんて知れたら、関係に亀裂が入りますよ。」


鯉口を切る。今、高杉は丸腰だ。


「そらァお互い様だ。それに、団員であろうがあるめェが、俺をここで殺せば確実にお前も死ぬことになるだろうねェ。」


不敵な笑みを浮かべながら話す高杉。…虫唾が走る。
確かに、ここで殺れるなんて言う確信はない。ここは敵の陣地である。もしかしたら、既に鬼兵隊の者が壁の向こうで潜伏しているかもしれない。
捨て身の攻撃では意味が無いのだ。


「そもそも、今日は神威さんと『野暮用』とやらがあるはずでは?」


「あぁ、行こうにも、その相手が来ねェんじゃ意味があるめェよ。」


…はぁ。いったい神威さんはこんな危ないヤツを放置してどこに行きやがったのだ。
おかげで私が高杉にエンカウントしてしまったじゃないか。



「シンスケ?なにやってんの、こんなところで」


噂をすればなんとやら。現状況では、彼は救世主である。


「鼠が一匹、潜り込んでやがったが、こりゃわざとか?おめェがそんなヘマするわけねェよなァ?大方、鈍く光る星の中に、際立つ一等星を見つけたってところだろうな。」


いや、わざとだって分かってたんならなんで襲ったんだよ。こちとらあやうく頭蓋骨粉砕という未来まであったというのに。


「今にも殺りあいそうな雰囲気だけど、Aと殺るのは俺だから。邪魔すると、殺しちゃうぞ」


「いくらシンスケでもね」と付け足し、頭の後ろで手を組みながら歩き出す。

高杉はというと、私の横に刺さった刀を抜き取ると


「機密情報なんざ、こんな剥き出しの山群のなかにゃねェよ。」


といい、神威さんの後へ着いていった。


「…いや、結局放置ですか」

11.襲来→←9.資料室



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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります! (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです!飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、!!応援してます!これからも頑張ってください! (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…!!しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね! (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです!更新頑張ってね!! (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月11日 18時

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