2.出会い ページ3
強い光が差し込み、重い瞼を開ける。
そこは見たことのない質素な部屋だった。
「あれ、確か私…」
ボソッと呟きながら、状況を整理する。
副長を助けようとして、攘夷浪士に斬られて崖から落ちて、でも意識を失う前に謎の温もりに…?
ということは、ここはその人の家である可能性が高い。お礼を言わなければ。
しかし、私が意識を失ったのは敵との交戦場。もしかしたら残党が私を拷問目的で攫ったのかもしれない。助けてくれた人がただの善人だったら失礼すぎる思考だが。
「あれ、起きたの?」
突然きこえた声に驚く。顔を上げ声の主の方を見ると、そこには…男前になった神楽ちゃんが。私は何も考えず、そのまま質問を投げかける。
「あれ、神楽ちゃん。男装ですか?」
「……」
…なぜだか変な空気になってしまった。なにか間違ったことを言っただろうか?
改めて、まじまじと彼を見てみると確かに似てはいるものの違うところがいくつかある。
背の高さも違うし、髪の色も、神楽ちゃんより少し暗い気がする。
「ねぇ、そんなに人の顔みてて、楽しい?」
突然かけられた声にハッとなり、視線を逸らす。確かに見すぎて…いや、なんだこれ。これで逸らしたら初恋の少女みたいではないか。
視線を戻し、改めて話を切り出す。
「すみません。知り合いに似ていたもので…。私は霧生Aと申します。助けて下さりありがとうございます。」
ベットから起き上がり丁寧に挨拶をする。第一印象は最悪だが、今からならきっと取り返せる、そんな気持ちで。
しかし、私に返ってきたのは予期せぬ言葉だった。
「あー、君さ、海賊にならない?」
「…は?」
思わず、素っ頓狂な声が出てしまったではないか。
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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります! (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです!飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、!!応援してます!これからも頑張ってください! (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…!!しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね! (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです!更新頑張ってね!! (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飽 | 作成日時:2019年8月11日 18時