☆ ページ8
「大先生から話し出してくれるかなーって思ったけど、なかなか本題に入らないから。」
だからこっちから聞いちゃった、といたずらっ子のように笑うAちゃんを責められるはずもなく…。
「…全部お見通しやったんか。恥ずかしい。」
素直にそう言い、顔を両手で覆えば、真横からはクスクスと笑う声が聞こえた。
「ねぇ、大先生。」
一通り笑い終わったAちゃんが、そう声を掛けてきたので、やっと顔の熱も引いてきた俺は、
「どないしたん？」
と顔を上げた。
「私ね、大先生に『Aちゃん』って呼ばれるの、好きだよ。」
「え？」
それは予想もしていなかった言葉だった。
思わずポカンとしてしまい、彼女の方を見る俺はきっとアホ面をしていることだろう。
「ここの皆は、最初こそAさんって呼んでたけど、仲良くなってからはすぐに呼び捨てで呼ぶようになったでしょ？それにここの使用人の人はA様って呼ぶし、他国に行けばAさんとか、我々国幹部殿とか呼ばれるから。」
つまり、
「逆に、Aちゃんなんて呼び方するんは、俺くらいってこと？」
そう言えば、正解！と彼女は俺の鼻に人差し指でチョンッと触れた。
「その呼び方って、女の子特有のものでしょ？この世界にいるとね、たまに自分の性を見失いそうになるの。ここの幹部もそうだけど、他の国だってまだまだ男性ばかりだし。だからね、大先生がそう呼んでくれるたびに、ああ、私って女の子だったんだ！って思い出すことが出来るの。」
口に出すのが恥ずかしかったのか、だんだんと下を向いていった彼女の顔は、ほんのりと赤く色付いていた。
「私にとって、大先生が呼んでくれるその呼び方は特別なの。…だから、これからもそうやって、呼んでくれないかな？」
俺の両手をキュッと握り、上目遣いでそう言うAちゃんを拒む方法なんて、俺は知らない。
「…もちろん、ええよ。」
そう言えば彼女は、まるで花が咲いたかのように、ニッコリ笑った。
こんなに嬉しそうな顔が見られるなら、俺はこれからも何回だって君の名前を呼ぶよ。
「Aちゃん。」
「なぁに？」
「好き、やで。」
俺の声に応えるように、ますます赤く染まる頬。
そこに片手を添えて、出来る限り優しく、甘い口づけを落とした。
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くろにゃ - ｱ…下のコメントの最後の文は、、別にあのっ、番外編を神作品ではないと言っているわけではなくてですね、あの…ッ…………コメントしてから失態に気づきましたごめんなさァァい！！次からちゃんと確認します。。 (2019年10月13日 23時) (
レス) id: 80132a8614 (このIDを非表示/違反報告)
くろにゃ - 『今日も彼女に逃げられる』というを神作品を今 読んできて、そこから番外編に飛ぼうとしたらなぜかURLに色がついていて、もしかして…過去に読んじゃった？と思って来たら案の定当たってて軽く後悔してしまいました…w……先に神作品から読めや我ｪｪ!! (2019年10月13日 23時) (レス) id: 80132a8614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲華☆ | 作成日時：2018年6月6日 15時
