202．拾われた ページ9
会場を出て庭に出てくる。
慣れないヒールのせいで何度か土に足を取られそうになったが、なんとか持ちこたえる。
そして辿り着いた場所は城の裏側。
肩を掴まれて城壁に背中を思い切り打ち付けられる。
貴「ぅ”ｯ…」
目の前の彼女達は笑っている。
…結局同じ。私を傷つけて、それを見て笑う。何も違わない。だったら…
きっと誰も助けてくれやしないんだ。
「あんた目障りなのよ！！いきなり現れてグルッペン様達と一緒に居るなんて！！！」
「どうせあんた庶民でしょ？！心優しい我々国の幹部の方に拾われたんでしょ？！！？」
…そうだ。私は拾われた。彼らの優しさで拾ってもらった。
拾ってもらった分際でなんでこんなに守られてるんだろ。
どうせ誰からも必要とされてないのに。
貴「…はい。」
「拾われたんなら拾われた分際らしく城で雑用でもやってろよ！！！」
貴「うぁ”ｯ…ｸﾞｯ…」
ヒールで足を思いっきり踏まれる。
痛い。でも私には反抗は出来ない。
彼女達が言っていることは正しいのだから。
何処の者かも知らない奴を拾って、幹部にまでしてもらって、信頼までしてもらって、守ってもらって…仲間だって思ってもらって。
…私にそこまでする価値なんかあるのだろうか。
「なんとか言えよこのビッチ！！グルッペン様を返せよ！！！」
貴「ごめんなさい…ごめんなさい…」
謝ることしか私には出来ない。
涙は出ない。泣いたら駄目だから。
私にそんな資格ないんだ。
目の前の彼女は腕を振り上げる。
私はただそれを静かに見つめていた。
？「…あの。」
でもその手は降ってこなかった。
後ろから誰かがその手を掴んだから。
私は目を見開く。
貴「…ぐん、そう…」
軍「…今度彼女を傷つけたら許しませんから。」
「ﾋｯ…お、覚えときなさい！！！行くわよ！！」
ベタな捨て台詞を残して彼女達は去っていった。
壁に凭れる。安心したら駄目なのに。彼女達の怒りが覚めるまで、殴られてたら良かったのに。
…軍曹が来てくれたことに安心していた。
軍「A、大丈夫か？ごめん。遅くなった。怖かったよな。」
優しく、割れ物を扱うように優しく私の頭を撫でる。
オスマンにしてもらったカールがフワフワとその動きに合わせて動く。
貴「…ごめん、なさい…私なんかを守らせて、ごめんなさい…」
軍「A？」
貴「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさいｯ！！」
軍「A落ち着け！」
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trap(プロフ) - ましろさん» 返信遅くなってすみません！一気読みお疲れ様です！！昔書いたものですが喜んで頂けたならなによりです！！ (2019年4月1日 22時) (
レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ましろ - コメント失礼します！シリーズ最初からイッキ読みしました！長いのに読みやすいし投稿ぺーすも早いので愛読させて頂きます！これからも無理せず頑張ってください！ (2019年3月31日 19時) (レス) id: 8babdea82f (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - trapさん» この量を公開するにしては早いと思うんですが…もっと遅くてもいいですy((((殴 無理せず頑張ってください。 (2019年3月29日 22時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - ぽいぽいさん» え、これで更新ペース早いんですか…?!?てっきり待たせ過ぎて「いつまで待たすんじゃゴラァ」とか言われるも思ったんですけど←次はもっと遅く公開しますね(((殴 (2019年3月29日 21時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 更新ペースが早過ぎてトントンさん並みに無理しとるんちゃうかと心配です。遂に最終章、楽しみです。お待ちしています^ ^ (2019年3月29日 19時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
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