番外編：早めのエイプリルフール ページ13
今日はエイプリルフール。
確か嘘は午前中だけってなにかの本に乗っていた気がする。
じゃあ急いで全員の所を回ろう。
…どんな嘘を吐こうかな。
ｺﾝｺﾝ
と、まず最初に来たのはグルさんの部屋。
中から独特の低い声が聞こえてくる。
返事を聞いて扉を開ければ、珍しく書類を真面目にやっているグルさんが居た。
…どんな嘘が…あ。
少し心苦しいけどこの嘘にしてみよう。
グ「なんや、Aの方から来るなんて珍しいな。」
貴「…ちょっと、大事な話があって。」
グ「…ほう。」
緊迫した雰囲気を作って切り出せば彼は顔をあげる。
私は早速嘘を吐く。
…やっぱり少し申し訳ないが。
貴「…私我々国の幹部辞めます。」
しっかり彼の赤い瞳を見て言えば、少しだけ揺れる。
いや、赤の奥にある青が。
元の瞳の色は青らしいし。
グ「…そうか。」
ただ彼はそう言っただけだった。
顔は下を向いていて見えない。
…流石にそろそろネタバラシをした方がいいかも。
そう思って口を開こうとした瞬間、彼は突然立ち上がった。
グ「…理由、聞いても良いか。」
彼の瞳は揺れに揺れまくっていた。
珍しく動揺していたのだ。
手を堅く握っている。ここまでとは思わなかった。
悪いことしたなと思うと同時に…少し楽しいとも思ってしまった。
私は笑いそうになるのを堪えてネタバラシをする。
貴「今日は何月何日でしょうか。」
グ「ｯ…お〜ま〜え〜…」
貴「ごめんって。」
グ「数分前に日付変わったばっかやろうが！！」
貴「ごめんね。悪かったって。」
彼が言うように今は夜中の0時を過ぎたばかりである。
ずっと下を向いている彼に手を伸ばすとその手を捕まれｸﾞｯと引かれる。
鼻と鼻が付きそうな位近くに彼の顔があった。
体が机に少し乗り出して、手を付く。
グ「…嘘吐いた罰だからな。」
貴「ぇ…んっ…」
後頭部に手を回され彼の唇と自分の唇が重なる。
何度か体験した感覚。
私を気遣うように優しくキスをされる。
何も考えられなくなる。
少し苦しくなって彼の胸を叩いた。
するとゆっくり顔が離れていく。
グ「…俺から離れんでくれ。お願いや。」
こんなに弱々しい彼は初めて見た。
いつもは自信に満ちている彼が。
貴「…大丈夫。居なくなったりしないから。」
グ「…嘘じゃないよな。」
貴「嘘じゃないよ。」
グ「…そうか。」
心なしか、彼は微笑んでいるように見えた。
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trap(プロフ) - ましろさん» 返信遅くなってすみません！一気読みお疲れ様です！！昔書いたものですが喜んで頂けたならなによりです！！ (2019年4月1日 22時) (
レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ましろ - コメント失礼します！シリーズ最初からイッキ読みしました！長いのに読みやすいし投稿ぺーすも早いので愛読させて頂きます！これからも無理せず頑張ってください！ (2019年3月31日 19時) (レス) id: 8babdea82f (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - trapさん» この量を公開するにしては早いと思うんですが…もっと遅くてもいいですy((((殴 無理せず頑張ってください。 (2019年3月29日 22時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - ぽいぽいさん» え、これで更新ペース早いんですか…?!?てっきり待たせ過ぎて「いつまで待たすんじゃゴラァ」とか言われるも思ったんですけど←次はもっと遅く公開しますね(((殴 (2019年3月29日 21時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 更新ペースが早過ぎてトントンさん並みに無理しとるんちゃうかと心配です。遂に最終章、楽しみです。お待ちしています^ ^ (2019年3月29日 19時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
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