101．壊れる ページ8
貴「ｶﾞﾊｯ…」
鳩尾に衝撃がきて、息が一瞬で止まりそうになる。
あぁ、懐かしいな。
前もよくやられてたな。
こんなに苦しかったんだ。
前までこんな事思わなかったのに。
当たり前だったのに。
目の前は布で隠されて何も見えない。
ただいろんな所に感じる痛みというものに耐えるしか出来ない。
ザカリーさんの話…明らかに逆恨み。
ゾムはきっと、だたお兄さんであるザカリーさんが好きだっただけなのに。
知らず知らずのうちに、恨まれていた。
…そんなの可笑しい。ゾムは悪くない。
今回だって私が彼に出会わなければ、こんなことにならなかったのに。
また迷惑を掛けたかな？
まだ帰らない私のせいでご飯が食べられないかな？
私が、居なければ、良かったのかな？
ザ「あ〜あ、Aさんも可哀想だねぇ？あの疫病神のせいでこんな目にあって。」
貴「あ”ｯ…」
ゾムは疫病神なんかじゃない。
私だ。私が疫病神なんだ。
貴「ぞ…むは…わるく…な…ｶﾞｯ…」
ザ「何？俺が悪いって言うの？意味わかんない。あの話聞いて分かんなかったの？全部あいつのせいじゃん。あ、もしかしてA、都合の悪い事は信じない系？」
貴「ｯ…ﾊｧ…ぁ”ｯ…」
確かに、私は都合の悪い事は信じない。信じようとしない。
でも、今は違う。
ちゃんと受け止める。絶対に消したりしない。
だって、悪いところも皆は受け入れてくれたから。
涙が少し出るけど、すぐに布に染み込む。
ザ「まぁいいや。どうせ、
Aさんには死んでもらうし。」
貴「ｯ」
やめて。だめ。彼は私を仲間だって言ってくれた。
彼はきっと、一生悔やむ。
記憶に、染み付いてしまう。
私のように、後悔してしまう。
そんなの駄目だ。ゾムの未来まで壊したくない。
彼を、悲しませたくない。
貴「ゃ”…めろ…」
ザ「俺に指図すんの？いいご身分なこって。」
この世界は、簡単に人を殺せる。
向こうとは違う。
あんな平々凡々な世界とは違う。
簡単に一つの命なんか失われていく。
私のように安い命なんて、それはもう簡単に。
悲しませたくない。なんて言ってどうせまた傷つけるんだ。
誰かの邪魔しか出来ないんだ。
ザ「やっと、あいつの幸せを壊せる。」
私のせいで、ゾムの幸せが壊れる。
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trap(プロフ) - 428-clover さん» いえいえ、こちらこそここまで読んで頂き有難うございます。続編はなるべく早く公開出来るように頑張ります！ (2019年3月12日 19時) (
レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - じゅぴぴさん» そうです。私こそ紙です！← (2019年3月12日 18時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
じゅぴぴ - 最高……作者さん神 (2019年3月12日 18時) (レス) id: 5ca5f272e2 (このIDを非表示/違反報告)
428-clover - trapさん» 返信有難う御座います。公開を楽しみに待っています。素敵な作品をありがとうございます (2019年3月12日 16時) (レス) id: 19ad0dfb0e (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - 428-clover さん» この話の続編は誤字や変な文面を確認&手直しした後に公開しようと思っています！ (2019年3月12日 16時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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