121．眼 ページ28
ト「それ、なに見とん？」
貴「これ。宝石の名前と、十年前の事件の書類。」
ト「ｯ…これ…」
トントンは資料を見た瞬間、目を見開いた。
その眼は、絶望、恐怖…いろんな感情が混ざっていた。
どうしたのだろうか。手が、震えてる。
ト「…レッド…スピネル…」
レッドスピネル。
この名前も資料に書いてあった。
写真もあって、確か赤い宝石。
…まるで、トントンの眼のようだった。
貴「トントン？大丈夫？」
ト「…おん。」
貴「その宝石のリストと、事件ってなんの関係があるの？」
ト「…眼。」
眼？
ト「この事件に共通しとんのは、眼。宝石の様な眼を持った子供…。」
…確かに載っている宝石の写真と一緒に、誘拐された子供の写真もあった。
そして、全員宝石の様に綺麗な瞳だった。
でもなぜ、今更この書類が？
私はトントンから書類を受け取り、捲ってみた。
最初の方は誘拐された子達の情報。
どこで起こったか。目撃者の証言。
誘拐された子達の中に、トントンそっくりな子が居たが、きっと他人の空似。
最後の方にきて、最近書かれたであろう物が出てきた。
そこには、
この国で最近、殺人事件が起こったと書かれていた。
殺されたのは、エメラルドの様な瞳を持った男の子。
いや、写真では子供だけど、今は男の人。
その男の人は、眼を抉りとられていたらしい。
貴「トントン、これ。」
ト「ｯ…ぁ…ぁあ…」
トントンはその事件の資料を見ると、取り乱していた。
この時、見せなければ良かったなんて思ったときには、もう遅かった。
ト「嫌や…もう…怖い…怖い…」
貴「ト、ントン…？」
ト「嫌だ…嫌だ、鳥籠は、もう…」
貴「落ち着いて。」
ト「やだやだやだやだｯ！！！」
耳を塞いで叫ぶトントンを、抱き締める。
落ち着かせないと。今は、それが先。
頭を撫でながら、落ち着くのを待つ。
誰か、呼んだ方が良いかな。
トントンのインカムを耳から借りて、一番に思い付いたグルさんに連絡する。
グ≪…と、トン氏か…！しょ、書類はやったゾ！多分！≫
この人、またトントンに押し付けたのか。
ってそんなことではない。
グルさんもトントンの声が聞こえたのか、雰囲気が一変する。
グ≪…誰だ。≫
貴「私。A。」
グ≪Aか。トン氏に何があった。≫
貴「分からない。だから来て。早く。」
グ≪分かった。≫
それっきりインカムは無言になった。
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trap(プロフ) - 428-clover さん» いえいえ、こちらこそここまで読んで頂き有難うございます。続編はなるべく早く公開出来るように頑張ります！ (2019年3月12日 19時) (
レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - じゅぴぴさん» そうです。私こそ紙です！← (2019年3月12日 18時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
じゅぴぴ - 最高……作者さん神 (2019年3月12日 18時) (レス) id: 5ca5f272e2 (このIDを非表示/違反報告)
428-clover - trapさん» 返信有難う御座います。公開を楽しみに待っています。素敵な作品をありがとうございます (2019年3月12日 16時) (レス) id: 19ad0dfb0e (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - 428-clover さん» この話の続編は誤字や変な文面を確認&手直しした後に公開しようと思っています！ (2019年3月12日 16時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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