【ωrωrd！】なりたい。【軍パロ】 (ページ10)

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53．悪ページ10

貴「隠れてただけですが。」

シ「…まぁこの際それはどうでもええねん。なんでリナを傷つけた…。」

リナは、私をどういう理由で陥れたんだっけ？
あぁそうそう。邪魔だったから。
彼女がそう思ってやったなら、それが普通の人の考えなのかな。

貴「邪魔だったから。」

シ「ｯ…なんで…なんでこんな奴、信用すんだよ…こんな裏切り者…さっさと捨てればええのに。」

貴「それが懸命な判断です。なぜ彼らは私を信用したのでしょう？滑稽ですね。」

シ「黙れｯ！！！」

シャオロンさんは前髪で表情が見えない。
でもきっと、苦痛に歪んでいるのだろう。
私には到底理解できない。
なぜ、そんな感情が出てくるのだろう。

あぁ、私はこんなにも淡々と嘘を吐くことが出来たのか。
初めて知った。

嘘を吐くとき、普通の人なら何を考えるのだろうか。
私は…早く悪になって、死を近づけてくれないか願っている。

シ「…俺は…お前を許さねぇ。」

貴「別に良いですよ？端から許してもらおうとは思ってませんので。」

シ「…裏切り者。」

彼はそう言って武器庫を出ていった。
あーあ、結局私の望んでいる言葉は言ってもらえなかった。
言ってくれたら、すぐにでもするのに。

…神には申し訳ないけど。

エ「…さっきの事、ほんとなんですか。」

あーまた、エミさんに聞かれてしまった。
聞かれたのなら嘘を通そう。
いつか、望む結果になってくれる。

貴「えぇ。最も人間らしく生きていると思いますよ？だって本能のままに動いて、成し遂げたんですから。」

この騒ぎを起こしたリナは。

エ「…幻滅しました。貴女は、そんな方ではないと信じていたのに。」

貴「それは他人の勝手なイメージの押し付けですよ。人間なんて、裏ばかりなんですから。リナのように。」

エ「ｯ…そ、うです、ね…。」

貴「軍曹に伝えといてください。ごめんと。」

エ「…」

彼の横をすり抜け、地下から一階に上がる。

軍曹、ごめん。
貴方の期待には答えられなかった。
私は悪になった。

”偽善”で出来た悪になった。

これからは堂々と生活するよ。

悪として。

＊

ｶﾞﾁｬ

コ「ｯ？！！A！！！」

何があったんだろうか。
悪い方向へ進むに連れて心が軽くなる。
でも同時に、痛くなる。

睨んでくるロボロさんのパソコンから映像がループ再生されている。

あぁ、さっきのシャオロンさんとのやり取りじゃないか。