【ωrωrd！】なりたい。【軍パロ】 (ページ45)

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88．買い物ページ45

貴「えっと…トントンの万年筆、オスマンの外交用の紅茶、エミさんの接待用の珈琲(豆)、シッマのタオル、グルさんのケーキ←。一人だけ違うんだよなぁ。」

城下の道をメモを見ながら進んでいく。
今日はトントン(その他←)に頼まれて買い物に来ている。
お金はトントンに貰った。申し訳ない。
ここのお金持ってないからなぁ。バイトしよっかな。

少し上の空な感じで歩いていると人とぶつかってしまう。
ちゃんと前見て歩こ…。

まずは雑貨屋さん。
多分ここに万年筆が置いてあるはず。
あ、あった。値段も丁度良いし、書きやすそう。
これにしよう。

もしかしたら毎回買う万年筆とかあったりするかな。

レジに置いてからそんな考えが出てくる。
もしそれだったら一回城に帰って聞いてからの方が良いよな。

さっき出してしまったお金をレジに入れお釣りの計算をしている店員さんに話しかける。

貴「あ、あの。」

店員「―――のお釣りでございます！なんでしょうか？」

貴「あ…なんでもないです。ありがとうございます。」

店員「いえ！またのご来店お待ちしております！」

言えない。
お釣りを笑顔で渡されて「買うのやめても良いですか」なんて言えない。
折角袋に包んでくれたんだ。
トントンがこれじゃないと言うならまた買いに行こう。

えっと、次は…紅茶と珈琲か。

＊

＊

空が茜色に染まり始めた頃、ようやく買い物が終わった。
意外にもグルさんのケーキが有名店の物で、凄い行列だった。
何時間も立って待ってた。

まぁこれで役に立ったなら良いかな。
…必要としてくれてるって事だし。多分。

もしかしたら道具としてか見てないかも。
…その時は道具らしく言うこと聞こうかな。
今までずっとそうやって生きてきたし。苦痛じゃない、はず。

想像すると息苦しいのはなんでだろうか。

貴「…きっと違う。いや、違わないと。」

嫌だなんて思ったら駄目なんだ。
…早く帰ろう。買ったものを早く渡さないと。

私は歩くスピードを少し上げた。

かなり遠くまで来てしまったみたいだ。
城まで結構ある。
体力は全然ないんだよなぁ。

少し疲れてきて、息を整えるために道を外れる。
人気はそこまで無かった。

「あ、あのすみません！」

突然話しかけられた。知らない人だ。
何のようだろうか。

「かなり前ゾム…緑のパーカーを着た幹部の方と居ませんでしたか？というか抱えられてませんでしたか？」

あぁ、あの時の。