【ωrωrd！】なりたい。【軍パロ】 (ページ32)

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75．居場所ページ32

貴「はぁ～疲れた。」

朝からシャオロン、シッマ、トントン(呼び捨てになった)、兄さん、ロボロ(同じく)、エミさん、ゾムに謝罪されて、その度に彼らの罪悪感を減らそうとした結果。

疲れた。

いろいろ疲れた。
外の空気でも吸いに行こう。
もしかしたらひとらんらんさんと会うかも。
その時はその時だな。

＊

案の定彼は居た。
お花一つ一つに水をあげている。
とても似合っていた。

彼がこちらに気づく。

あ、見つかった。どうしよう。
そんな事を考えている間に、ひとらんらんさんは目の前まで来ていた。

ひ「…俺が一番酷いことしたよな。君は何もしてなかったのに、暴力を振るった。痛かったよね？ごめん。」

彼の手が左頬に添えられる。
風が吹き、彼の黒髪が風に靡く。
そのお陰で表情がはっきり見える。

悲しそうな、申し訳なさそうな表情。

貴「別に大丈夫です。痛みはよく分かりませんから。私も謝罪します。すみませんでした。騙してしまって。」

ひ「別に。騙される方が悪いから。」

優しく彼は微笑む。

彼からは私と同じ思いが感じられる。
私に謝らせないようにしている。
謝られると、逆に辛いから。

ひ「…君は、運命になにかを感じてもしょうがないって言ったよね。あれの意味、分かった。」

貴「…」

ひ「裏切られるのが、当たり前だったんでしょ？運命だと言って受け入れたんでしょ？ごめん…君は分からないんじゃない。理解することが出来ないんだね。ずっとそれが普通だって受け入れてたから。」

彼は、どこまで理解したのだろう。
彼の黒い瞳は、何を思っているのか分からない。
私には分からない。
でも、少しだけ分かる。

優しい気持ちだってことは。

貴「…そうですね。普通だったんです。私にとって。当たり前だったんです。だから何も感じない。貴方だって、毎日食事を食べるのに何か感じますか？食べるのが普通だから食べますよね？それと同じです。」

普通の人には到底理解できない。
私は普通じゃないから、分かる。
でも代わりに普通の人の普通が分からない。

いつか、分かりたい。

ひ「そっか。大変…ではないか。」

貴「はい。」

ひ「ふふ、俺の事はひとらんって呼んで。俺もAって呼ぶ。タメ口で良いよ。」

貴「分かった。これからよろしく、ひとらん。」

ひ「ん、よろしく。」

私に初めての、居場所が出来た。