【ωrωrd！】なりたい。【軍パロ】 (ページ23)

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66．星ページ23

オ「Aちゃんのお陰で助かったわ。ありがと。」

貴「別に。止めなきゃって思ったから。」

すっかり太陽も沈みきった頃、私はオスマンと並んで城に向かっていた。
今日は晴れている。
月も、星も、全部が見える。

小さい頃よく言われた。

”死んだらお星様になるんだよ”

って。
今でも信じてたり、信じてなかったり。
佐織もあのどれかの星になってるのかなって。

もしもなってるなら言ってあげたい。

綺麗だねって。

オ「…なぁ。」

貴「ん、なに？」

オ「今日連れ出したんは、もっと別の理由があったんよ。」

貴「え、それって…。」

オ「…直接対決する。」

…誰と？

嫌な予感がする。
誰と対決するんだ。

…いや、誰なんて分かりきってる。
動いた。
真実を、言おうとしている。

リナが、悪になる。

＊

貴「ﾊｧ…ﾊｧ…ｯ…ﾊｧ…」

走る。城に向かって。

走る。城の廊下を。

走る。全員が集まる、食堂へ。

＊

貴「ﾊｧ…ﾊｧ…ぜ、んいん…居る…。」

間違いない。
この食堂で、やるつもりだ。
全員の前で、証拠を突きつけるつもりだ。

貴「ｯ…な、んで…」

動けない。動くことが出来ない。
なぜ？私が、悪にならないといけないのに。
でも、ここに居場所を作らないと、私は壊れる。
なのに悪になるの？

私は、なにがしたいの？

あぁ、そうだ。

誰も苦しませたくない。正義感の強い彼らなら、リナが悪と知った瞬間、罪悪感に苦しむ。
そして悲しむ。リナを信じてた人達は。
後悔する。なぜ信じてしまったのか。

それを防ぎたい。
私の事なんか、二の次で良い。

生きる。

それが一番。でもそれは私が傷つくだけで成り立つ。
傷つきたくないなんて、思ったら駄目。

これ以上傷つきたくないなんて。

――――信用してもらいたいって。

鬱「今日は皆に教えたいことがあるんよ。」

始まってしまった。
私が臆病なせいで、また誰かが傷つく。

鬱「本当の悪について、な。」

私は、動けなかった。