【d！】ほな、さいなら

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そしてその睡眠薬も強くなって言った矢先。

彼女が全てを諦めたような顔で、医務室に来たんや。








いつもまとめてある綺麗な髪は、乱雑に切られていた。





『なぁペ神』
「なっ、その、髪。どうしt」

『マジカルマッシュルーム、くれへんかな』

にっこり笑って彼女はそう言った。
以前のような苦しそうな顔やなくて

そうやな。もう、なんも期待してない。
無感情と言ったらいいんやろうか。

癖のように笑ったんや。



確かに彼女の言う通り、医療に使うためマジカルマッシュルームは置いてあるものの。
死ぬ危険性もある麻 薬や。

ダメ、と言うよりか彼女がこれを使うのが嫌で

「あかん」

そう言えば

『んふふ、やっぱそうやんな。

でも、欲しいねん』




そういう彼女はやっぱり笑っていた

「…なんで欲しいん」
俺がそう聞くと

『…もうさ、幻覚に頼るしかないんや。
昔の、あの頃に戻りたいんや。』


『自 殺と事故死の可能性もあるのは知っとるよ。
違法薬 物やし。実際怖いし。


でもな。

もう私多分、それ無かったら死んでしまうんよ。』

ふにゃりと笑う彼女の言葉に胸が詰まった。

俺は、何もしてやれなかった。
彼女の残していた希望を踏み躙ったのがホンマに

今でも許せんし、

希望を残すほどしか与えなかったお前らが、
ほんま嫌になるけど

彼女は
『ペ神ほんま私の事好きやな〜w物好き過ぎんねんw』
『好きなんは分かるけど絶対、アイツらには何も言わんで欲しいねん。
手ぇ、出さんとって欲しいんや』

そう言うから。




…ごめんな。居らんからもうええかって、話してもうたわ
見るに、耐えんかってん。


渡さなかったら本当に彼女が死んでしまう気がして、
医療従事者でありながら俺は彼女に違法薬 物を手渡してしまった。

それから、少し彼女は明るくなった。
幻覚に助けられているのかと一瞬思ったが
それは違うと直ぐに気づいた。


彼女は、壊れたんや。
倫理観も、ここで落としたんやろうな。

けど、前よりかは幸せそうやった。

ほんの、少しやったけどな。
でもほんの少しが俺にとって、嬉しかったんや。

















そんで、1か月前、彼女は俺に言うた。

『ペ神〜』
「ん、どうしたの、何取りに来たの〜」

『今日は、ちゃうねん、いやちゃうかないか…
取りに来たついでにちとお話しに来てん。』














『今回のせんそぉな、私死ぬかもしれへんわ』

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