禁断の愛~zm ページ8
『ねぇ、殺人鬼さん。』
目の前の貴方は静かに佇んでいる。
もう貴方は口を開かない。
『もう貴方が喋らないこと、諦めました。』
本当は話せるかもしれないってこと、知ってる。
だって私は＿＿＿＿＿＿＿＿
『だけど、私は全部伝えることにします。』
こんな状況で言ってしまう私を許して。
……貴方が、優しすぎるからですよ。
『…知らないでしょ、殺人鬼さん。』
貴方の手をとる。…ほんのりとあたたかいのは、ずっと変わらないのね。
その温もりに触れているだけなのに、涙が零れる。
『私の想いも、貴方のお友達の気持ちも。』
“想い”と“気持ち”で分けたことは、わざと。
貴方のお友達の貴方への気持ちと、私の貴方への気持ちは比べ物にならない。
『…皆、心配していましたよ？“我々だ”、でしたっけ？…私も彼らには久しく会ってませんからね。今度、会いに行きましょう？』
何日、これを繰り返したのだろう。
貴方は一向に目を覚まさないし、担当医者は私だから。
匙を投げる？そんなことするわけが無い。
だってそんなことをしたら、貴方は命を落とすから。
『殺人鬼さんが殺されるなんて、洒落になりませんって。』
貴方の精神力が生死を分ける。
…貴方が“生きたい”って願えば。
『殺人鬼なら、殺す側でしょう？』
いくら叫んでも、心に届かない。
そんなことはとっくに知っている。
『なら、私を殺してから逝ってくださいよ。』
貴方を救えないのなら、私だって逝く覚悟はできている。
『…ねぇ、ゾムさん。』
想いは伝えるもの。隠してたら伝わらない。
貴方は愛を知っている。私は知らない。
『貴方からの愛を、受け取りたいんです。』
私は貴方から愛を知りたい。
殺人鬼に恋をするなんて駄目なのは解ってる。
けど、好きになってしまったから。
『…ゾムさんのことが、好きなんです。』
貴方が生きてくれないと、私は。
「俺も愛してるで。お医者さんのこと。…いや、Aのこと。」
そんな声が聞こえた気がして、顔を上げた。
そこにはいつもの笑みを浮かべたゾムさんの姿。
「ありがとな。俺を助けてくれて。…愛、溢れるくらいに伝えるから。」
貴方はこんな私を許してくれるの？
禁断の愛をしてしまった、こんな私を。
『…ゾムさん、大好き。』
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黒猫 - リクエスト緩募 (2019年3月29日 18時) (
レス) id: 4ccfeb950d (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - バキュラさん» リクありがとうございました！はい、いつでもお待ちしています！ (2018年4月19日 20時) (レス) id: ed1fc4b4b8 (このIDを非表示/違反報告)
バキュラ(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます!! こんなので大丈夫というか、こういうのが読みたかったんです…!! すごく好きです(笑) 機械があれば、またリクエストさせてください！ (2018年4月14日 22時) (レス) id: 06aecc80c5 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - バキュラさん» リクエストありがとうございます。こんなので大丈夫なんでしょうか…？(困惑) (2018年4月14日 21時) (レス) id: ed1fc4b4b8 (このIDを非表示/違反報告)
バキュラ(プロフ) - グルちゃん読みたいです(唐突) (2018年4月14日 11時) (レス) id: 06aecc80c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒猫 | 作成日時：2018年2月5日 20時
