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でも、そんなの今気付いたって遅い。
その想いを伝えるべき相手は、決して目を開けてくれなくなってしまった。
「俺は馬鹿や…。ほんまに、大馬鹿もんや…。」
こんなことなら、もっと早く伝えるんだった。
『君のことを愛している。』と。
今まで誰にでも言っていた、軽いものじゃない。
俺の『本気』の気持ちを。
Aちゃんはきっと、
『そんなこと、いろんな女性に言ってるんでしょ？』
と、受け流しただろう。
それでも、諦めず。
何度も何度も、俺の想いを、愛を、伝えればよかったんだ。
「Aちゃん…？はよ、目ぇ開けぇや。」
お願いだから。
横たわる彼女の腕を持ち上げて、その小さな手をギュッと俺の両手で包み込んだ。
それはやっぱり冷たく、握り返してくれることもない。
溢れる涙を止める術など、今の俺にはなかった。
それは頬を伝い、包み込むように握っていた彼女の手に落ちる。
「ごめん、な。こんな泣き虫な男、Aちゃんも嫌やろ？」
ははは、と乾いた笑いが口をついて出た。
彼女の手を元の位置に戻し、自身の服の袖で目元を拭う。
『もー、ハンカチぐらい持って歩きなよ！』
「え！」
そんないつもの調子で俺を叱る声が聞こえた気がして、彼女の方を見る。
もちろん、それは『幻聴』。
「…俺も、いよいよやな。」
幻聴まで聞こえるようになってしまうとは。
「ごめんな、Aちゃん。俺、一旦席外すな？」
外の空気でも吸ってこよう。
この寒空の下でなら、多少今より冷静になれるはずだ。
静かに立ち上がり、背を向ける。
扉の目の前に立ち、ドアノブに手を伸ばしかけたその時。
「だ…い、せん、せ。」
また聞こえた幻聴。
ただ、それは先ほどよりも掠れた小さな声で、余計に現実味を帯びていた。
やめろ、俺。
自分に期待を持たせるようなことは。
「だい、せんせ。」
現実を見ろ！
自分にそう言い聞かせるような気持ちで、もう一度ベッドで眠ったままのAちゃんの姿を目に焼き付けようと振り返る。
だけどそこには、
「Aちゃん…？」
目を開き、弱々しくこちらを見て微笑む
俺の愛しい人がいた。
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くろにゃ - あ、メッセージの順番ぐちゃぐちゃですみません！下の方から読んでください！(誰も読んでくれるとは言ってないゾ) (2019年10月13日 23時) (
レス) id: 80132a8614 (このIDを非表示/違反報告)
くろにゃ - 語彙力なくて今すごく申し訳ないんですけど、こんなに素敵な、最高を通り越したような作品を生み出してくれた咲華さんに感謝です！！やはり我々だを知り尽くしてるからこそ、書けたんだなと思いました。私からして咲華さんは、全力に控えて言っても神です。 (2019年10月13日 23時) (レス) id: 80132a8614 (このIDを非表示/違反報告)
くろにゃ - 咲華さんの作品を読んだのは初めてだったんですけど、なんかもう『物語書く天才やな。』って終始思いながら読んでましたw単細胞の私でも分かるくらい読みやすくて、何より物語が面白すぎて、罪なんじゃないんですか！って感じです、今w(ﾊｲすみません) (2019年10月13日 23時) (レス) id: 80132a8614 (このIDを非表示/違反報告)
てぃむ(プロフ) - 今日で全て読まさせていただきました！とっても良い作品でした、最初から最後までドキドキしっぱなしで、幾つ心臓があっても足りませんでした...。最後のシーンでは号泣してしまい、涙が止まらないぐらい感動しました。咲華さんの語彙力・表現力も素晴らしかったです。 (2019年4月8日 22時) (レス) id: 5bdc5d12fd (このIDを非表示/違反報告)
咲華☆(プロフ) - あいみさん» 最後まで読んで頂きありがとうございました。私の拙い文章でそんなに感動していただけて、嬉しい限りです…！不定期更新ですが、続編も今執筆中ですので、そちらを引き続き見守っていただけると幸いです！ (2018年7月8日 23時) (レス) id: ae69016188 (このIDを非表示/違反報告)
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