6-9 ページ9
「今から何百年前やったかなぁ…。世界中の国のお偉いさん達が、"魔女と魔法使いを全滅させよう"って結託したんや。……魔女の持つ巨大な力を恐れてな」
「そん時は、俺はまだ魔法使いじゃなかった。普通の人間として魔女狩りを見てきたんやけど……そりゃ酷いものやったで。」
遠い目をして虚空を見つめながら、ゆっくりとした口調で言葉を紡ぐ大先生
「魔女だと"思われる"人は次々と処刑されていった。たとえ本当の人間だとしても、少しでも疑われれば即炎に焼かれた。……そんで、当時魔女として生きていた人は大半殺された」
「あれはほんまに酷かったで…。……これが、第1次魔女狩りや」
そして次に、と言葉を続ける大先生
「第1次魔法戦争。…これは魔女狩りの約一年後に起こった戦争で……魔女と魔法使い同士の戦争や。」
「……この時に俺は魔法使いになったんやけど……。地獄絵図やったで。俺も少し戦争に参加したんやけど、自分でも生き残れたのが不思議や」
「…なんで、大先生は戦争に参加したの？」
俺の問いに、大先生は少し悲しそうに笑いながら口を開いた
「参加せざるを得なかった、って感じやな。……その戦争を引き起こしたのが、"最凶の魔法使い"って呼ばれる1人の魔法使いなんや」
「その魔法使いは、ほかの魔女達よりも圧倒的に魔力量が多かった。……魔力量が多いってことは、それだけ強力な魔法が使える。その強力な魔法で、次々と魔女や魔法使いを殺して回った」
「みな最凶の魔法使いを恐れ、自衛に走った結果戦争へと発展した。……それが、第1次魔法戦争や。……まぁ戦争と言うより、もはや"最凶の魔法使い"による大量虐殺という表現の方が正しいと思うんやけどな」
そう言って、大先生は消えかかっていた暖炉の火に再び魔法で火をつける
魔法で付けられた火は、マッチでつけた時よりも大きく燃え上がっていた
「…ま、俺が知ってるのはこのぐらいやで。勉強頑張りや」
「分かりました。ありがとうございます」
「おん」
大先生から聞いた話をメモして、再び問題を解く
大先生はそんな俺の様子を見て、「ほんま真面目やなぁ、ええ子や」と言って笑った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 555人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
澪(プロフ) - 初めまして、続編が出てることにこの間気づきました。続きを読みたいのですが、Twitter等々やっていないのですが、Twitterじゃないと駄目ですかね､ (2020年5月18日 3時) (
レス) id: 46710531e6 (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - yua_skyさん» 長いのに一気読みしていただいて…嬉しいですありがとうございます(´；ω；｀)着いてきてくださるなんて本当に嬉しすぎます、全て承認＆フォロー返ししてるので心配なさらなくて大丈夫ですよ！！！ (2019年12月27日 18時) (レス) id: bd02fe3886 (このIDを非表示/違反報告)
yua_sky(プロフ) - 初見です(多分)今日の朝に見つけてやっと読み始めてここまで読みましたがなにこれめっさおもろいすきってなりました、続きめっさ気になるので着いていきたいです！！フォローしたら承認してくださりますかね？(心配) (2019年12月27日 17時) (レス) id: 21b1ac3e54 (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 夜月雪咲さん» いえいえこちらこそありがとうございます！ (2019年10月28日 17時) (レス) id: bd02fe3886 (このIDを非表示/違反報告)
夜月雪咲(プロフ) - 音羽リンさん» ご丁寧にありがとうございます (2019年10月28日 10時) (レス) id: d7ac20ddf7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
