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中は綺麗で、この少女?の性格が表れていた。
入るなり、ショッピは持っていた荷物を渡す。

syp「これ、桃のタルト。一緒に食べましょ」

「…いつもごめんなさい、ありがとう」

syp「別に良いですって。俺が好きでやってることだし」


…何か、性格違う。
ちょっと待っててください、と言って奥へ消えていく少女。姿が見えなくなり、小声でショッピに問う。

『あの人が誰かは気にしないけど、どうして私を此処に連れてきたの?』

syp「え、何となくっすけど」

『雨じゃないと駄目な理由ってあるの?』

そう問うと、少し奥を気にしながら更に小声になる。

syp「此処、バレたく無いんで。晴れてたらゾムさん辺りが尾けてくるに決まってる」

気づかれたくない程、彼女は何か秘密を抱えている。ショッピが庇おうと思うくらい、重大な秘密を。


『…バレたくないなら、私を連れてこなければ良かったのに』

思わず本音が飛び出す。
その言葉に目を見開いたショッピは、目を伏せ自嘲気味に笑う。

syp「俺一人じゃ、きっと重すぎたんすよ。誰かと分け合いたかった。それだけっすから」

グルッペンに気づかれたくない。
つまり幹部に気づかれたら駄目ってことでしょ?
なのにグルッペンに一番近い私に言う。

…よく分からない、やっぱり。


「お待たせしました、食べましょう。えっと…紅茶で、よかったですか?」

私を見て問う少女。
首肯すると、安堵の表情を浮かべた。

syp「いただきます……ん、美味っ」

『いただきます。…うん、美味しいですね』

今回の対象はこの少女だから、敬語は許される。

「本当に。…ありがとう、いつもこんなに美味しいものをくれて。本当はダメなんでしょ?」

syp「大丈夫。もう少しで申請したのが通るはずだから、次来るまでには堂々と街を歩けるようになってるはず」

…え、何それ私知らない。

そこで、やっと理解できた。
何故ショッピが私を連れてきたのかが。

syp「ね、そうっすよね?」

『…………』

分かってて訊いてる。
ズルい。

『やるよ、やればいいんでしょ!?』

半ギレ。
…ごめんなさい少女、怯えないでね。

「ありがとうございます……!!私、外に出てみたくて、だから、嬉しい、です」

幹部に気づかれてもいい内容だけど、気づかれたくない気持ちも分かるかな。
仕事を抜け出してこんなことしてるってバレたら大変だから。

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作者名:黒猫 | 作成日時:2018年9月13日 22時

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