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「やっぱりトンさんはその顔をしてないとねっ!」
「っ！なんや、Aか、もうここまで来れたん?上出来やんけ!」
と会話の合間に聞こえる剣のぶつかり合う音
さっきトンさんを探している時にグルさんに会ったけど、彼は私をトンさんの所へと通してくれた
ありがとうグルさん、特等席を用意してくれて
一番近くで、あの日、私を助けてくれた時のトンさんが見せてくれた表情が見える
生き生きとした心の底から楽しんでいる笑顔、いつも丁寧に整えられた髪とは打って変わって乱れた髪、そして仲間を守ると言う強い意志を込めたその綺麗な紅い瞳
全てが私が見たかったあの日のトンさんと一致した
刃をくっつける度に痛む体なんて気にも止めずに、ただ、ずっとトンさんと金属がぶつかり合う音を奏でる
「なんやA、疲れてきたんか?遅くなって来とるで!」
「まさか!」
と楽しそうに笑うトンさんに強がって見せるが体はとうとう限界を迎えそうで
ぐらりと視界が歪み足元がフラつくと私の視界に映るものは青空だけになった
「A!」
とトンさんの声が聞こえｶﾞｼｬﾝと剣が放り投げられる音も聞こえ、嗚呼トンさん戦争投げ捨てちゃった、なんて思う
私の視界に入ってきたのはさっきのトンさんの表情とは打って変わり凄く心配そうな顔をしたトンさん
「どないしたん!どっか打ったんか!?俺が強く返し過ぎたか!?」
なんて自分を攻め出すトンさん
嗚呼、違うの、私が見たい顔はそれじゃない、私のために嘆いてる顔じゃない
私が見たいのは、私を助けてくれた
私を守ってくれたあの日の顔なんだよ……
「戦争、投げ出さないでよ」
「何言うてるん!まずはお前を医療バンに連れて行かんといけんに決まっとるやろ!」
と私をおぶりながら剣も持たずに丸腰で戦場を駆け抜けるトンさん
最後に見る表情がこれじゃあ死ぬに死ねないじゃん、なんて声には出さずに心の中で思い留める
「トンさん」
「なんや!どこか痛いんか!」
と走りながらも心配をしてくれる彼の背中に私は顔を埋めた
すごいスピードで走っているはずなのに、なぜか私の時間はとてもゆっくりと流れた
「トンさん、あのね」
「私トンさんのことずっと大好きだよ」
そう言い私は意識を手放した
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彩心(プロフ) - 瑠癒(るゆ)さん» 初めまして!!入国済みの人です笑 有難いお言葉ありがとうございます！励みになります！ (2019年3月5日 13時) (
レス) id: a036b92465 (このIDを非表示/違反報告)
瑠癒(るゆ)(プロフ) - !?俺の後輩は入国済でしたの人だったんだ...!?え、あの、好きです!!(語彙力&主語) (2019年3月4日 0時) (レス) id: 2ce15b23f6 (このIDを非表示/違反報告)
彩心(プロフ) - ひまわりゼリーさん» 読んでもらってありがとうございます!勿体なお言葉までありがとうございます泣 (2019年2月14日 16時) (レス) id: f5fb710fde (このIDを非表示/違反報告)
ひまわりゼリー(プロフ) - 面白かったです！
やっぱり彩心さんは神作者だな… (2019年2月14日 16時) (携帯から) (レス) id: 6e709e042d (このIDを非表示/違反報告)
彩心(プロフ) - りりさん» ありがとうりりちゃんー！！ (2019年2月14日 2時) (レス) id: a036b92465 (このIDを非表示/違反報告)
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