先輩が隣にいる世界 (ページ30)

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6-9トントンside ページ30

勢いで家を出た。

前田に再度『来れるなら来てほしいか』と言うと、『超絶肯定』とかいう訳のわからない返信がやってきた。

多分来てほしいんやろう。

編集にアーカイブ作りに色々あるものは、今ゾムにやってもらっている。はやく帰らないと。

以前訪れたルートでアパートに着く。

インターホンを押すと、どたばたとした部屋中を荒らし散らかす音を立てて、こっちにやってくる感じがする。

A「ほ、本当に来てくれたんですか！？」

目を見張る前田の後ろには、見知らぬ青年？おっさん？が一人。

まさか、彼が担当か。

「取りあえず上がってもらったらどうですか」

A「そうですね…先輩、我が家へようこそ」

俺は戸惑いながら、担当さん(多分)に礼をした。

担当さんも返してくれる。

トントン「お邪魔します。」

A「汚いのは想像通りかと思われますが、空き缶を踏んで怪我しなように気を付けてください」

「前田さん、それが好きな男に言うセリフですか…」

俺は瞬時に呑み込んだ唾が器官にまで入ってしまった。

ひたすら咽込む。顔を上げるとしてやったり顔の担当さん(多分)と、耳が赤い前田が見えた。

A「ちょ、ちょ！え！？」

トントン「前田、俺は何も聞いてない！聞こえてないからな！幻聴！」

A「そ、それはそれで、」

面倒やなぁ。と感じたが、前田が「いやいや、本当はありがとうございます」と囁いた。

こいつのこういう所が憎めない。