兄妹喧嘩 #9 ページ24
突然号泣しだした私に驚いたのか、トントンが行き場のない手を宙に彷徨わせ困惑したような表情で声をかけてくる
「おまっ……、なんで泣いとんねん!怒ったり泣いたりほんまに今日のお前なんか変やぞ!?」
ごもっともすぎて何も言えない
普段ならこんなことで泣くことなんて絶対ないのだ
それでも不調のせいか涙は止まらなかった
『うぇ…………っ、……ぐっ……!……だっでぇ……!!』
「トン氏、女の子にはな?どうしても情緒不安定になってまうデリケートな時期があるんや。童貞にはわからんかもしれんけど」
最後の一言はど考えても余計だが、泣きすぎてまともに言葉が発せない私に助け舟を出してくれたのはまたしても大先生だった
大先生の言葉を聞いて一瞬なんのこっちゃ?という顔をしたトントンだが、大先生が言いたいことがわかったのだろう。少しずつ顔を赤く染め先程以上に慌て始めた
「おおおおおおま!!そういう大事なことはもっと早く言わんかい!!!」
『ひぇ…………っ……ごめ………』
「いや、ごめんAが謝ることとちゃうな…こんな野郎ばっかのとこでそんなん言えへんよなぁ」
そう言って頭を抱えるトントン
その奥には頭にハテナを浮かべたエーミールと我関せずなショッピくん、何かを考えるようなシッマの顔が見えた
『その……次からは直接的じゃなくても…、調子悪いってちゃんと言うようにする…………』
「おう、そうしてくれると俺らも助かるわ」
そんな短い会話を交わし、もう一度ごめんねと頭を下げる
トントンは大きな手で私の頭を撫でると、もうええんやでと笑った
「ほな、仲直りも済んだし!大先生とAちゃんも来たところでもっかい乾杯でもしよか!」
そんなチーノの明るい声で、場はまたワイワイと盛り上がりを見せ始める
運ばれてきたドリンクを手渡してくれたトントンが、みんなの会話を邪魔しない程度の声量で私に話しかける
「その顔、だいぶ痛そうやんな」
『まぁ………その、うん…』
なんて言えばいいのか分からず曖昧な返事をしてしまう
「ゾムとチーノから話は聞いとる。お前が来るまでゾム、めっちゃ真っ青やってんで?Aのこと叩いてもうた、どないしよって」
その時のことを思い出したのかゲラゲラと笑うトントン
「アイツもめちゃくちゃ後悔しとるし、お互いちゃんと謝って仲直りしいや?」
そうやって背中を押してくれるトントンにしっかりと頷き返し、冷たいお酒を喉へと流し込んだ
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泉月。(プロフ) - はふーさん» コメントありがとうございます!!! 妹大好きな過保護zmさんと女の子っぽくない妹ちゃんを書きたくてこのような形になりました!! 今のところお兄ちゃんのせいで恋愛要素はありませんが、そのうちIFストーリーも出して行こうと思いますのでよろしくお願いします!! (2020年5月19日 17時) (レス) id: 3835e785b2 (このIDを非表示/違反報告)
はふー - すいませんめちゃめちゃ面白いですwwwwww読んでて楽しいです!更新頑張って下さい∠( ˙-˙ )/ (2020年5月19日 15時) (レス) id: 7dbd428a56 (このIDを非表示/違反報告)
泉月。(プロフ) - 雪姫さん» コメントありがとうございます!! ほんとですね…全く気付きませんでした…。教えて頂いてありがとうございます!次回更新時に訂正させていただきます! (2020年5月14日 14時) (レス) id: 3835e785b2 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。ページ40のブロマガ大先生が大成功になっているので確認お願いします。 (2020年5月14日 12時) (レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
泉月。(プロフ) - 一寸先はダークさん» コメントありがとうございます!!+αの方は誰にするか決まってないのですが、ゾムトンのwお兄ちゃんズにするか 個人的に好きなゾムロボペアにするか はたまた外部の方にするかで悩んでおります!! 思い着き次第ののんびり更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2020年5月7日 0時) (レス) id: 3835e785b2 (このIDを非表示/違反報告)
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