第32話 ページ34
*トントン side*
グ「大先生に、奴の生い立ちを漏れ無く調べてもらったんだ。どうやら奴は……肉親にも期待されず、ずっと
ト「なんやと……？」
眉をひそめる俺に、グルさんはさらに続ける。
グ「先に生まれた姉の方は、何事に関しても優秀だったらしくてな。常に比較され続け、両親は姉ばかりをかわいがった。そんな両親のあからさまな態度を見ているうちに……姉自身も、次第にチーノを下に見るようになった」
比較……か。常に人の上に立ち続けてきた俺には、縁の無い話やな……。
鬱「僕なぁ……チーノくんの気持ち、ちょっとわかる気がするんよ」
おもむろにそう呟いた大先生の方を見ると、どこか悲しげな笑みを浮かべていた。
鬱「僕も……前の国では、周りからごっつ馬鹿にされて生きてきてん。せやから……この国に来て、みんなに受け入れてもらえた時…ホンマに救われた。だから＿＿＿」
ト「だから……チーノの事も救いたい、と？」
こくりと頷いた大先生に、深く溜め息をつく。
ト「……とにかく今は、二人を捜すのが先や。そこまで目星ついてるんやったら、アリメンターレを調査すればええんやろ？」
グ「そう言うと思って、すでに調査隊を送っているゾ」
ト「ほんなら俺らが捜し回る必要無かったやんけ！！！」
思いっきりグルさんの頭をシバき、再び溜め息をつきながら脱力する。
ト「たくっ…ホンマ、なんでこんなアホが国のトップなんやろか……」
グ「
シバいた頭を
ト「まぁ……早いうちに、チーノの事は幹部に伝えとくべきやで。あと……もしこれでレイが死んだりでもしたら、ちゃーんと責任取ってくれるんでしょうねぇ？」
グ「そうだなぁ……その時は、ひとらんの故郷の文化に
鬱「えっ、僕？ ハラキリ？」
ト「よーし、ひとらんに頼んどくわ」
鬱「えっ、ちょっと待って嘘やろ!? なんで僕が腹切りせなアカンの!?;;」
「あんまりやぁ〜！！」と嘆いてひっついてくる大先生を蹴り飛ばし、小さく溜め息をついてドアの方へと向かう。
ト「ほな、調査報告待ってますんで。次隠し事したら、二人まとめて粛正やからな」
ギロリと二人を睨み、俺は総統室から立ち去った。
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空文 晴霧(プロフ) - suzurei/鈴玲さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
suzurei/鈴玲 - 更新頑張ってください…！応援してます！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: 54995dabe3 (このIDを非表示/違反報告)
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