第1話 ページ3
*チーノ side*
我々軍に入って一年ほど経ったある日の事、俺は総統室に呼び出された。
ノックをして「失礼しまーす」と呼びかけると、すぐにバリトンボイスで応答があったのでドアを開けた。
すると中には、総統以外にもう一人……見慣れない人物が居た。
チ「グルッペンさん……彼女は？」
グ「あぁ、紹介しよう。今日から我が軍の兵士となった、レイだ」
グルッペンさんの紹介に続き、“レイ”というらしい少女はビシッと敬礼をして口を開く。
レイ「お……お初にお目にかかります！ 本日より正式に入隊いたしました、レイと申します！」
チ「お、おぉ……幹部のチーノや。よろしくな」
えらい礼儀正しい子やなぁ……なんて思っていると、グルッペンさんが本題を切り出してきた。
グ「チーノ、提案なんだが……彼女の面倒、お前が見てみないか」
チ「……えっ？」
レイ「え……えええええええ!?!?!?」
どうやら彼女の方も聞かされていなかった事らしく、俺以上に驚愕の声を上げる。
グ「お前も、幹部になりたてで何かと大変だろう。彼女に手伝ってもらうと良い。その代わり、わからない事だらけの新人の面倒を見てやれ。そういう事だ」
なるほど……確かに、幹部の仕事は想像以上に大変だ。
それを手伝ってもらえるというのは、正直ありがたい。
しかし…新人の面倒を見るせいで、“本来の目的”が果たせなくなるのはなぁ……。
レイ「か、幹部様
あわあわと顔を赤らめて独り言をこぼす彼女だったが、どこか嬉しそうにも見えた。
その顔を見てしまい、断ろうにも断れなくなってしまう。
チ「……わかりました。やってみます」
グ「そうか！ なら決まりだな。彼女の事は、お前に一任しよう！」
そうと決まるが早いが、俺と彼女は問答無用で総統室を出された。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空文 晴霧(プロフ) - suzurei/鈴玲さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
suzurei/鈴玲 - 更新頑張ってください…！応援してます！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: 54995dabe3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
