26話 ページ29
オスマンさんが私の元に駆け寄ってきた。
os「もう大丈夫やで、怖かったやろ」
安心したのか涙がポロポロと溢れてきた。
os「動けないんか？声も出せん？」
私が頷くと頭を優しく撫でてくれて、また涙が止めどなく零れる。
はだけた服も直してくれて、私も抱きかかえた。
tn「ゾム、大丈夫か？」
zm「部屋入った瞬間殴られたわ、油断した」
tn「ゾムがクリアリング忘れるなんてなぁ」
ゾムさんを縛っていた紐をほどきながら言う。
tn「びしょ濡れの血塗れやん、はよ手当してもらうで」
ゾムさんは縛られていた手首を軽く回し、傷なんか気にしてない様子で立ち上がった。
zm「さあ、お返ししよか」
未だ跪くグラートの前に立つ。血塗れなのに弧を描く口が余計怖さを際立たせる。
tn「あとが面倒やから手ぇ出すなよ」
zm「やり返さんと気がすまんわ」
パンパンと手を叩く音。
『そこまでです』
制止したのはどこかで見たことのある男性だった。シャオロンさんが肩で息をしながら心配そうにこちらを覗く。どうやらシャオロンさんが呼んできた様だ。
『貴方がこんなに取り乱すなんて珍しいですね』
gr「原因が貴方にもあることを理解しているのか」
思い出した、エミリオ・フェニーニだ。今回のパーティー主催者でありフェニーニファミリー首領。
Emilio『概ねのことは聞きましたが、詳しく説明をお願いしてもよろしいですかね？』
os「本人に喋ってもらおか、何があったのか教えてくれるよな？」
オスマンさんがグラートの目を見る。だが、グラートは口を噤み答える気は無い様だ。
gr「"これまでの経緯を話せ"」
グルッペンさんがそう言うと、閉じられた口が開いた。
Emilio『いやはや敵に回したくないですね。お2人が揃うと恐ろしい』
そう口では言うものの口元に手をあて、喉を鳴らす様に笑った。
『__っ』
グラートが経緯を事細かに話す。
Emilio『私のパーティーでまさか粗相をする輩がいると思いませんでしたね。何かしらの制裁が下るのを承知しておいてくださいね』
『わ、わしとお前の仲じゃあないか！まだ手は出してないだろ！』
gr「ほう？仲間が2人傷ついているのだが」
Emilio『私が許すとお思いですか？前々から気に食わない奴と思っていたんですよ』
グラートは絶望した表情で床に崩れる。
その姿を首領の2人は冷たい目で見ていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 201人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
飛翠(プロフ) - 白兎さん» 面白いって言ってもらえて嬉しいです(*´-`)リアルなファンタジー目指して設定細かくしています！ (2018年11月9日 0時) (
レス) id: 01bad502bd (このIDを非表示/違反報告)
白兎 - 話がリアルで面白いですね！時々くるネタだったり、急に始まるバトルシーンかっこいいです！これからも頑張ってください！！影で見守ってます(( (2018年11月8日 0時) (レス) id: 2bf9800fc9 (このIDを非表示/違反報告)
飛翠(プロフ) - ひかさん» 応援ありがとうございます！毎日更新できるように頑張ります！！ (2018年10月15日 21時) (レス) id: 01bad502bd (このIDを非表示/違反報告)
ひか - 初コメです！グルさんが吹いた所らへん自分も吹いてしまいましたwwwこれからも頑張ってください！！！ (2018年10月15日 0時) (レス) id: efdd15773c (このIDを非表示/違反報告)
飛翠(プロフ) - 紺狐(ユウ)さん» コメありがとうございます！ひとらんは癒しです(*´ー｀*)更新頑張ります！ (2018年10月9日 20時) (レス) id: 01bad502bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：飛翠 | 作成日時：2018年9月29日 1時
