第49話 練習 ページ15
舞踏会の話を聞いてから次の休日、俺は珍しくグルッペンの家に来ていた。
目的はこの前約束したダンスの練習の為だ。
gr父「ラルフ嬢久しぶりだな」
『お久しぶりです。総統様』
gr父「今日はゆっくりしていってくれ」
『はい』
gr「こっちだ、ラルフ」
呼ばれた方を見てみれば、いつもの制服ではなく、何処かの国の黒い軍服姿だった。
……何故？
gr父「グルッペン、軍服はやめろと言っただろう…」
gr「かっこええからええやないか」
gr父「はぁ、じゃあ、ラルフ嬢、グルッペンを頼んだ」
『はは…はい』
親子の会話に思わず苦笑してしまう。
総統様が困る姿はここでしか見れないだろう。
俺はグルッペンに連れられ、練習をするホールへ向かった。
流石総統様のご自宅だけあって絢爛豪華な内装で、とてつもなく広い。
歩くこと2、3分、ホールに着いた、講師の人がいると思ったがそのような人は見当たらない。
『あの、講師の人とかはいないんですか…？』
gr「む？そんなのはいないゾ、練習はふたりでやる」
『そ、そうですか…』
そう来るか！！いや、別にいいんだけど…。
グルッペンはオーディオプレーヤーを出してくればCDを入れては音楽を流す。
gr「さて、始めるとするか」
『はい』
穏やかな曲調とともに彼の手を取り、踊り出す。
少し背の高い彼の目を合わせながら、緩やかにステップを踏む。
穏やかなこの時間は2人だけしか世界にいないのでは無いかと錯覚する程だった。
グルッペンが微笑めばつられて微笑む。
数分踊り、曲が終われば、彼の手が離れてしまい少し名残惜しくなってしまった。
gr「…しっかりと出来そうだな」
『…ええ、しかし、もう少し、練習をしたいです』
素直になれずに練習を建前に彼と踊りたいという。
そんな俺の糸を汲み取ってか、彼は微笑みながら頷き再び始まった曲とともに踊り出す。
それから俺らは夕食の時間まで踊り続けた。
周りなんて気にせずに、2人だけの世界で。
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碧翔 - 完結おめでとうございます！ (2021年5月2日 20時) (
レス) id: 6cb4d1b5e6 (このIDを非表示/違反報告)
明日花フォルテ(プロフ) - 前編から読ませていただきました！すごく面白かったです！更新頑張ってください！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 5e39ac861e (このIDを非表示/違反報告)
幸逢(プロフ) - ぽんさん» ご報告ありがとうございました。しっかりと外しておきます。 (2021年2月27日 19時) (レス) id: 6bed71fd46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸逢 | 作成日時：2021年2月27日 18時
