【男主】変わった新入り【wrwrd】 (ページ9)

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第６話ページ9

あの人は何を言ってるんだ

こんな見た目で皆の嫌われ者があの人達の中に入ったらダメに決まってる

きっと僕が彼らを汚してしまう…

「…僕が居ていい所やない…」

僕の居場所にはなれない

…でも、僕なんかにあんな必死そうに説得する彼が気になる

「…確か、あの人、ようつべとかで動画を出してはるって言ってはったよな」

帰ったら見てみるか

そしたら何か分かるかもしれへんし

とにかく家に帰るためだけに急ぐように早足で歩いた

．

何とか家に辿り着き、鍵を開け中に入る

やっと家に着いた…

これで心置きなくゲームが出来る、ただそう思った

「…その前にあの人が言ってた動画見なきゃな」

名前は聞いてなかったから、誰かは知らんけど

何となく彼の服装は覚えていた

緑のパーカーを着ていて、顔を隠すためかフードを被っている

僕の記憶はそれだけ

UFOキャッチャーで取ったぬいぐるみを抱きかかえながら一つ、気になった動画を見た

動画の題名までは覚えていないが、内容はMinecraftで行う人狼ゲームだった

後々調べてみて分かった事だが、出場していたのは我々だに入っている人物ばかりだった

皆が皆、個性的で面白く飽きなかった

動画が終わり、一度見ていた手を止める

「…おもろかった……てか、あの誘ってきた人って声的にゾムって人やろか…ゲームに強いんやな」

思った事を全て吐き出すが、言葉が上手くまとまっていない

「…あんな人らの中に僕が入ってええんやろか…」

不安になった時、ふと彼に言われた言葉を思い出す

「そんな事ない！俺の仲間、皆ええ奴ばっかやし！絶対大丈夫やって！それに俺がついとるし！」

果たして本当にそうなんだろうか

動画ではあっても仕方ないだろうけど…

でも、また前みたいになったら嫌だ

このトラウマを無くしたいのは分かっていても、無理なものは無理だ

___________ 怖いんだから

あの時の事を今でも忘れられないくらいトラウマじみたものだから

語ろうにも上手く語れないが、とにかく怖かった

それだけしか言いようがない

「…入るのは出来ひんけど、少しだけの間だけなら…」

“大丈夫かもしれない”

そう思い、連絡しようとしたが…また手を止める

「…そういや、連絡先知らんかったわ…うっわ、どないしよ…」

悩みに悩んだが、今日は出かける気もないため、出かける日を明日に変更した

そしてまたいつものようにゲームの電源を入れる