彼らは至って真面目です I ページ21
城下町の華やかな大通り。沢山の店が軒を連ねるそこに一つ、一際目を引く店があった。
その店のショーケースに飾られたそれに、一度は憧れる、というのも少なくない。
純白のドレス、赤や青、緑、黄色……
華やかなドレスを身に纏うマネキンは顔もないのに美しく見えた。
そんな超有名なドレスショップに、どういうことか訪れていたのはこの国の幹部であるノーチェである。
確かに彼女は外交にも出るし、そう言う類のパーティに出席することもある。けれど大抵その時のドレスは城の中にあるフィッティングルームに全て置かれている。わざわざ城下町の一ドレスショップに来る必要はない。
それでも彼女がここに来た理由は、この店がダメ元で送った手紙にあった。
遡ること一週間前。
「私宛?」
gr「ああ。大通り沿いのドレスショップからだ。何か仕立てたのか?」
「いいや? そこって、ショーケースにいっぱいドレス飾ってるとこやろ? んなとこ怖くて入れへんし」
そう言いながらグルッペンから手紙を受け取ったノーチェはその場で手紙を開封するためにさらにレターオープナーを彼から受け取りピッと音を立てて手紙を取り出した。
上質な紙に綴られた文字をすらすら目で追っていく様子をグルッペンが見つめていると、だんだん彼女の顔色が明るくなっていくのに気がついて彼は尋ねた。何が書かれていたんだ、と。
「私に……私に、モデルの案件が来た!! やったー!! ちょ、トントォン!!」
gr「ま、待たんかいノーチェ!! 詳しく聞かせてクレメンスー!!」
仮にも国のトップとその直属の部下が廊下を全速力で走るのは異様であるが、当人らは至って真剣である。
彼女は手紙を握りながら書記長室にノックもなく入る。そこには部屋の主であるトントンがいたが、今日は調子がいいらしく顔色も悪くない。
そんなトントンの様子をわかってか否か、ノーチェは驚くトントンなど全く無視して手紙を見せつけた。
「モデルの案件来た! 受けたい!!」
tn「……は?」
gr「おいトントン!! どういうことや!?」
tn「は?? 説明どこ置いてきてんアホども」
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うんちっち - 面白い 更新頑張って (2019年10月19日 23時) (
レス) id: 473868f78a (このIDを非表示/違反報告)
メビ(プロフ) - 久しぶりの更新ですね！これからも無理しない程度に頑張ってください！ (2019年7月28日 6時) (レス) id: ee2ddb04ba (このIDを非表示/違反報告)
いずも(プロフ) - 好きです尊い話好きすぎます！ (2019年7月15日 0時) (レス) id: e6422e1b57 (このIDを非表示/違反報告)
みふぇ(プロフ) - 好きです (2019年7月13日 1時) (レス) id: df5efd99d9 (このIDを非表示/違反報告)
hasuki- - 初めまして,この小説は時々シリアスを入れてくるから,私がある意味死にそうになりました。これからも頑張ってください， (2019年6月7日 0時) (レス) id: e55a71c11d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中沢 琴葉
| 作成日時：2019年5月6日 13時
