MK3の話 ページ11
オレンジ色の花が咲いていた。
たった一輪の、美しい花。
それを見て一人の女性の姿を思い浮かべるのはきっと俺だけじゃないはずだ。
でも、その姿を思い浮かべて、愛しいと思うことはなかったのだ。
窓に手を添えてその花をじっと見つめる。
俺はいつから君を好きになってしまったのだろう。自分自身ですら困惑しているのだ。だって、今まで自分は男に興味ばかりで女なんて好きになったことがなかったから。
ps「ノーチェ……」
「なに?」
ps「っえ!?」
ひょっこり、俺の肩口から顔を出したノーチェに驚いて振り返ればノーチェはきょとんとした表情で首を傾げた。なに、私の名前なんて呼んで。そう聞かれたので窓下の花がと言うと彼女はそれを見て目を輝かせた。
「コスモスや! 私の髪色と一緒!」
そう言って嬉しそうに笑う彼女に、思わず笑みを零す。
その無邪気な笑みを浮かべる君が、好きになってしまった。
みんなよりもずっとずっと遅いスタートだ。君を好きになって、諦めようとした。でもその笑顔を見てると諦められないのだ。
ps「ノーチェ」
「ｯ!?」
彼女の腰を引き寄せて髪に唇を寄せた。
驚きと困惑と羞恥で顔を真っ赤にする姿も愛おしい。
ps「ごめんね、ノーチェ。俺、我慢できひん男やねん」
そう言って今度は彼女の唇に、それを寄せた。
syp「しんぺいさん」
ps「ｴｯ」
syp「何してんすか、アンタ」
ps「ｱｯ、いやその」
「……しょ、しょしょしょしょっぴく、」
べり、と効果音がつきそうな勢いで彼女と離れてしまう。その原因は新人幹部のショッピだ。彼はノーチェの腕を引いてぎゅっと抱き寄せた。
その目には明らかな闘争心と殺意。そして一言。
syp「いくらアンタでも、譲る気はないっすよ」
ps「…………そうやな、手は抜いてほしくないわ」
「?、???」
syp「ないでもないっすよ先輩! さ、行きましょ」
「ﾊｲ…………??」
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うんちっち - 面白い 更新頑張って (2019年10月19日 23時) (
レス) id: 473868f78a (このIDを非表示/違反報告)
メビ(プロフ) - 久しぶりの更新ですね！これからも無理しない程度に頑張ってください！ (2019年7月28日 6時) (レス) id: ee2ddb04ba (このIDを非表示/違反報告)
いずも(プロフ) - 好きです尊い話好きすぎます！ (2019年7月15日 0時) (レス) id: e6422e1b57 (このIDを非表示/違反報告)
みふぇ(プロフ) - 好きです (2019年7月13日 1時) (レス) id: df5efd99d9 (このIDを非表示/違反報告)
hasuki- - 初めまして,この小説は時々シリアスを入れてくるから,私がある意味死にそうになりました。これからも頑張ってください， (2019年6月7日 0時) (レス) id: e55a71c11d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中沢 琴葉
| 作成日時：2019年5月6日 13時
