ミルクティー美味しかったです ページ22
赤絨毯の続く廊下を歩いていく。
突き当りにある硬質な木扉を開けると、フワリと、インクの匂いが香る。
広い広い部屋を進んで、奥にある扉を開ける。
少し小さな部屋には壁全体に本が敷き詰められていて、付けられた小さな灯り以外に光はなかった。
真ん中にある机に置いてある珈琲が芳ばしい香りを漂わせている。
その珈琲を口に運び、一口飲んだ彼は、此方を向いて微笑んだ。
「久しぶりですね、Aさん。」
『お久しぶりです。』
多分この人といる時が一番静かになると思うんだよね私。
エミさんには少し不思議な力があって、相手と対談する時とかに役立つらしい。なんか、相手の本心を吐き出させるとか？
その力のせいで世界飛んでるんだけどね。
「聞きましたよ。裏切り者になったそうですね。」
柔らかく笑う彼は楽しそうである。
もっと心配とかしようぜ。
『そうなんですよねえ。驚くことに誰も信じてくれなかったんですよー。最低じゃないですか？』
「まあ貴方ですから無理もないでしょう」
『笑顔で酷い事言うんですね』
「おや、それは心外だな」
笑顔を崩さず声色も変えない彼は、それでも私のことを嫌いになってはいないのだろう。
てかエミさん、私に結構冷たいよね。
『これからどうやって誤解解いていこうかなあ』
サラっと出してくれたミルクティーを喉に流し込みながらボヤボヤ考える。
私の言葉を聞いて少し目を伏せたエミさんは、私の右手に目をやった。
「聞きましたよ。ゾムにやられたって」
『ん？ああ、これのことですか？』
まだ手首あたりに包帯が巻かれてる右手を持ち上げながら笑う。
『ひっどいですよねー。もう少し手加減とか…いや手加減はしてるんでしょうけど、女の子に暴力とかモテないですよねー。実際問題モテてるんですけどね。』
あの時勢いよく打った頭も腫れてたんだからな！あの痛み忘れないからな！
「…Aさん、なんで本気で自分を守らないんですか？」
貴方なら本気を出せば殺しはできずとも傷を負わせるくらいの力を出せるはずだと此方を見つめる。
白掛かった翠の瞳で見つめられると、全てを話してしまいそうで怖くなる。
『普通、仲間に攻撃なんてしないでしょう。』
ミルクティーを飲み干して、席を立つ。
『グルちゃん達にも会いに行ってあげてくださいね！』
そのまま、扉を開けて部屋を出る。
「…不思議だな」
エーミールがその力を使っているのに本心を話していないのを、本人は知らない。
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若草 翠 - ん？あれ？ちょっと作者さん？なんか終わったことになってますよ?!続きはぁ？まさかこれで終わりじゃないですよね中途半端過ぎます呪いますよ?!汗 (2022年4月10日 20時) (
レス) @page43 id: 3991d49295 (このIDを非表示/違反報告)
氷河 - いきてますかぁ〜〜〜〜？！(大声) (2021年4月14日 10時) (レス) id: c276ce50af (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - このお話好きですー！！！……あれ…………続きがない……？ (2021年4月1日 14時) (レス) id: 8e9c19a797 (このIDを非表示/違反報告)
Rainﾚｲﾝ - 花仙さん» え、死んじゃた？大丈夫ですかｧｧｧｧｧ？(((殴られたぁ (2020年6月6日 21時) (レス) id: cc7660b0c0 (このIDを非表示/違反報告)
花仙 - やばい。いい話過ぎて死ぬ。。。あれ？なんか体が透けて、、、あ。（察し） (2020年1月1日 14時) (レス) id: b2f70beae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピポ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipo1945/
作成日時：2017年8月29日 2時
