【wrwrd】彼方へ辿り着く為 (ページ5)

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Text.5 - Break time ページ5

『懐かしい、かあ……ちっちゃい時に誰かがやってるの見てたとか？』
『そうなのかな……いや、ちっちゃい時ってたぶん管理人さん以外に心開いてなかったと思いますし、違う気がします』
『……そっか、そうだね。小学生の時に見てたらきっとトラウマになっちゃってたもん。でもやっぱり朝までやってると心配になっちゃうよ。今日だってバイトがあるのに』
『この後少し仮眠取ってから出ますよ、今日はお昼だけなので』
『もお……今夜はちゃんと早めに寝てね？』

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「ねえどう思いますー？」
「美帆さんは虫苦手じゃないのか」
「安息の日々を脅かす黒光りの宇宙人を一撃で仕留める人ですよ」
「つよい」
「つよいです、でも聞きたいのはそっちじゃない」

馬鹿みたいに忙しかったお昼時も落ち着き、閑古鳥が鳴きそうなほどがらんとした店内。
片付けもひと段落ついたので、カウンターに伏せってマスターと駄弁る。

「あー……また戦争の夢見たって？頻度上がってない？」
「FPSやってなくても週に一回は出てきます……」
「……有給いる？」
「喫茶店とは思えない白さですね」

磨いていたティーカップを手に『一杯どう？』みたいなニュアンスで言うセリフには聞こえない。

「働き過ぎで病んだなんて噂が立ったら俺の立場が危ういでしょ、情報規制の管轄外だぞここら辺」
「無理に規制したらヘイト集めますよ、駅前のファミレスみたいに」
「……だよなあ、俺もよく行ってたのになー」

あれは悲しい事件だったね……なんて空を見つめるマスター。
あのファミレスにどれだけ家族連れのお客さん持ってかれたか忘れてるな？もう少し危機感持って。

とはいえ、天下の全国チェーンもあの有様なのだ。
ご近所付き合いで成り立っているこの店を潰すのに七十五日もかからない。

「身体が潰れても卵が生きてりゃまた湧いてくるからなー……美帆さん呼ぶか」
「飲食店でする話じゃないです、マスターきたない」

今朝と同じ過ちは犯すまいとわざわざ話逸らしたのに。
これ以上引っ張ったらフレンドリーファイアも辞さない。