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心が9個 ページ10

帰り道。俺とAは一言も言葉を交わさなかった。
気まずくはない。心地よい静けさだった。

kn「じゃ、またな。」

『公園で、九時だよね。またね』

Aと別れ、家に入る。

kn「…ただいま」

「おかえり。こがね。少しお母さんから話があるの。」

kn「なんだよ。話って。」

「ご飯食べ終わったら話すよ。ほら、着替えて食べてな。」

どこかそわそわした様子で母さんはリビングへ行った。


部屋に戻って制服を脱ぐ。

kn「集まってきたな…」

壁にかかった花を手でなぞる。
あいつはどんな思いでこの花を俺に渡してくれたんやろう。

そんなことを考えるだけで目頭が熱くなる。

kn「あかん。ここで泣いたらAに顔が立たんくなるわ。」

涙をぐっとこらえ、お気に入りの部屋着に着替える。


「こがねー」


kn「今、行くよ」

階段を降りる足取りは重かった。話って何なんやろう。
Aのこともあるのに、まだつらい思いせんと行かんのか

「こがね。はい。おばあちゃんが持ってきてくれたのよ。」

kn「お!チャーハンや!」

目の前には俺の大好きなチャーハン。ばあちゃんが作ってくれるおいしいやつ。

kn「いただきます!」

「ゆっくり食べてね。」



もう、チャーハンが一口しか残っていない。
うまかったわ。今日も。

「こがね。お皿ちょうだい。」

kn「ん。」

皿を母さんに渡して椅子に座る。

「こがね。少しテレビでも見てて。皿洗ってるから。」

kn「ええよー」

良かった、テレビが見れる。今日はサッカーの特集番組がある日。
特に気にもしないで、テレビをじっと見ていた。


「…こがね。少しこっちに来て。」

kn「なんだよ。」

「あのね、こがね。」

「Aちゃんのねお母さんが昨日うちに来たの。怒った様子はなかった。
 お母さんね、こがねに感謝してるって、そういってくれたのよ。」

kn「Aの母さんが…?」

Aの母さんは、俺とAが遊んでいるときいつもいつも怒っていた。
もうその印象が強すぎて、Aの母さん=怖い、とずっと思っていた。

なのに、俺に感謝している?

意味が分からない。

「こがねがAちゃんにいつも優しくしてるんだって?」

kn「ん…ま、まぁ」

「それで、Aちゃんは助かってるって。そう言ってたの。」

涙をこらえながら話す母さん。

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ぜろ(プロフ) - クロノスさん» うわん…ありがとうございます。クズシマちょっと笑っちゃいましたw (2020年1月24日 14時) (レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
クロノス - よかったですわ マジで (タイトルのとこのコネシマ の英語『クズシマ』と読んだなんて言えない、、) (2020年1月12日 4時) (レス) id: 25a024680a (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 無色さん» コメントありがとうございますぅうう( ;∀;)二人ともEND1では幸せな…はず!です(´・ω・) (2019年12月15日 17時) (レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
無色 - すごいいい話でした!軽く泣きかけました( ̄▽ ̄;)二人とも幸せになっているといいな(´・ω・`) (2019年12月13日 15時) (レス) id: 3580e498d4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 美希さん» このお話のシッマさん、過去には心あったっていう設定なんです!ここから少しずつタイトルの意味、分かっていくので!!!!楽しみにしていてください!美希さん、コメントありがとうございます! (2019年2月7日 14時) (レス) id: aa0aa3566b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぜろ | 作成日時:2018年11月4日 22時

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