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「……というわけや、すまんトン氏。Aは僕が育てる」
そう言って、背後で成り行きを見守っていたトン氏に向き直る。
「いままで育児放棄してたくせに、都合が良すぎる」と叱られるのは目に見えている
それは分かっているし、全部僕が悪い。
粛清されるだろうが…それでも、僕とA2人の意思だ。
悪いがトン氏には引き下がってもらおう
「おん、分かったわ。」
「え？？」
ケロリとした顔で、そうあっさりと言うトン氏。
面食らってしまい、呆然としているとトン氏はそのまま言葉を続ける
「Aちゃんに引き止められて、それでもなお僕に引き渡そうとしたんなら即粛清やったわ」
「えぇ…」
怖いことをサラリと言うトン氏に思わず身震い。
トン氏の言う粛清は洒落にならない
「ほんとはな、引き取る気なんて無かったんよ。お前がどれだけAちゃんの事を想っとるか試すつもりやった。あっさり手渡そうもんなら一生許さへんつもりやったけど……まぁ、及第点といったところやな。」
「じゃあ最初から僕を試すつもりで…？」
「おん。」
その言葉に体の力が抜け、床に座り込む
本当にトン氏は策士だ……
……あれ、僕最初引き渡そうとしとったよな？
結構危なかったんじゃ……………
「まぁ、これで分かったやろ。親が子を選ぶんやなくて、子が親を選ぶ。Aちゃんは、他の誰でもないお前を選んだんや。最後まで責任もって育てな」
「おん………ありがとな、トン氏。お前のお陰で大切な物に気づけた」
「水臭いこと言うやん。いつもの大先生らしくないで」
そう言って2人顔を見合わせ、笑う。
ようやく、数年間疎遠になっていた友人と仲直りすることが出来た。
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すみれいん(プロフ) - 読み返すと先の内容がわかっているため涙が出ます。違う、そうじゃない、違うんや…とつ 呟きながら読ませていただいてます！ (2020年10月3日 21時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - 涙が凄い出てくる....ヤバイ、とっても良い作品でした。 (2020年3月10日 14時) (レス) id: a5ab59d983 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - あっ......ちょっとさっきの文章だめでしたかね...？すみません (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - た。感動しました！ありがとうございます！ (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - え..何この物語凄い...！！最後のこの話終わってないやんけっ！！やべぇ！！ってなった時、心が射抜かれた感じでめっさ衝撃的でした！！...あと、私事ですが「金を運んでんの馬なんじゃね？？いやそれは無いか....っえ！？馬じゃん」ってなってすっごく喜んでしまいまし (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2019年12月21日 11時
