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2話 ページ3

拝啓、お父さんお母さん。
突然死んでしまってごめんなさい。
宿題とかやれってのは鬱陶しかったよ。

まあともかく。
死んだら転生したので、可愛い可愛い妹と生きることにします。



突然部屋を飛び出して、鏡を覗き込んでいたのを妹に不思議に思われた。
そのまま引きずられ、なんやかんやで朝食をご馳走になっている。

てか、俺がアイクってことは…
口いっぱいに朝食を詰め込んでいる妹(推定)に目を向ける。
こちらに気づいた彼女は、リスのように頬を膨らませたまま、ニコッと微笑んだ。

はい可愛い。やっぱこの子ヒロインだわ。

アイクはヒロインの兄。つまりは、俺の妹は必然的にミルムだ。
まあ改めて見ると漫画のキャラデザとそっくりだし、よく見れば思い当たることはあったかもしれない。ただ、あの時の俺はものすごくテンパっていた。

確か漫画だと、1話でミルムの日常と貴族になるきっかけが描かれるんだよな。
両親を亡くして、兄と二人暮らし。二人でいつものように生活しているところに、王宮の使いがやってくる。
…ということは、まだ王宮からの使いの人は来てないってことか。ミルムは庶民のままだし。いつ来るんだろ。

あーあ、貴族になるのはミルムだけだし、俺はここで一人暮らしか。
嫌だなあ、ぼっち生活。

まあまだ時間はあるだろうし、それまで穏やかに___

コンコン

不意にノック音が響く。立て続けに、言葉が届いた。

「ミルム・ラヴィド。王宮の者だ、少し話がある」

…フラグってこういう時に使うのね。勉強になったわ。



「貴族…ですか?」

ミルムが不思議そうに問い返す。
漫画で見たことある威厳のあるおっさんは、洗練された動作で頷いた。

「ああ。王直々の誘い…すなわち命令だ。断ることは許されん。今日は顔合わせを所望している。つまり、謁見だ」

もうちょっとくらい時間あると思ったのに、お呼ばれが早い。
えー、多分誘い乗るよなあ。乗らないと首チョンパされるもんなあ。

ミルムは戸惑いつつ、俺に目線を向ける。
いや俺に振られてもな。どうしようもない。

「えっと…わたしの兄はどうなるのでしょうか?」

「無論、庶民のままだ。ホイホイと貴族に迎え入れれば、至る所で反感を買う」

ですよねー。

「ミルム、しょうがないから行ってこいよ。今日は陛下に謁見するんだろ」

「お兄ちゃん…」

ミルムの瞳が揺れる。
やがて意を決したように、おっさんを見据えた。

「王宮に、兄も同行させてください!」

…あ、マジで?

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わたアメ - 続きが気になる♪この小説、好きだな… 可愛い妹の為なら、私だって貴族にだって強く言えそうで怖いな… (2022年5月19日 18時) (レス) @page5 id: 45a95b1035 (このIDを非表示/違反報告)
たまご - ぴっぴさん» コメントありがとうございます!嬉しいです……! (2022年4月10日 15時) (レス) id: 28ca9da869 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ - 面白くなってきそうです…!! (2022年4月10日 9時) (レス) @page2 id: 6fb09f5107 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまご | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/suikahqd/  
作成日時:2022年4月9日 22時

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